中国による領空侵犯を考える。

中国との外交を司る政治家がいなくなって良いのか。

私は嫌中でも嫌韓でもない。むしろ親中派かも知れない。
人生の指南書は中国の古典だし、好きな小説は宮城谷昌光さんの
壮大な中国指導者の歴史物語なのだから。東洋思想こそが、日本人の根幹ではないかとも思っている。だから嫌中派ってことはない。

韓国もそうだ。隣国を近くて遠い国にしてはならないと思っているし、
親日の姿勢を崩さないユン大統領にはエールを送る。韓国の文化に学ぶことは多い。むしろ日韓は友好関係を深めるべしと思っている。ただ韓国の政治体制、とりわけ、前時代的な反日政策を政争の具にする左派勢力が政権を握ると、いつも厄介だとは思う。

でもこれだけ東アジアに緊張が走る時代です。日韓同盟は重要である。
自民党の総裁選が行われる。まるで学級崩壊のように、本当に首相の資質があるのかと思う人まで出馬に名乗りを上げる。・・・少なくとも外交・経済については一定の見識を持っていなければならない。

とりわけ、中国に対する姿勢は「重要」である。
先月末、日中友好議員連盟(二階俊博会長)の代表団が訪中した。
その報道を見て・・日本という国が、中国共産党から全く相手にされていないことが良くわかる。代表団は習近平主席に面談を求めたが・・相手にされず・・共産党序列3位の人民代表会議の委員長っていう人物でお茶を濁した。

二階さんは「政治の師」と仰ぐ日中国交回復に尽力した故・田中角栄の意思を受け継いで中国とのパイプを継続してきたのだが・・・中国側が、もはや井戸を掘った人を忘れてしまっているのだから、如何ともし難い。(忘れていないから、序列3位との面談とも言える、そんな声も)

同時に日本の政治事情がこんな体たらくでは、ロートル(引退が決まった)で政治悪の根源のような爺さんを相手にしないのは当然である。残念だが。

中国は世界第2位の経済大国だ。軍事力も米国に次ぐ力を持っている。
先般の領空侵犯に見られるように、日本の国力も軍事力も、今では歯牙にも掛けない状況にある。どうしてこうなったのか。二つは明確に言える・・

一つは目を見張るばかりの経済力の衰えである。
自動車産業の首を中国に絞められたら日本経済は壊滅である。
それを中国は知っているってことである。中国の安い労働力を使って日本経済が繁栄してきたことを懐古しているような日本国民ではどうしようもない。日本経済はもはや、世界三流以下。それを中国が見切っているから、相手にされないのだ。でもこれは何とかなる。

もう一つは、政治である。自民党の総裁選挙に出馬する連中の顔ぶれを見れば・・中国に相手にされないのがわかる。地政学的にも日本と中国の重要性を理解しているのは誰もいない。出馬を決めた林芳正官房長官を除いて。

しかし彼だとて「親中派」と見られることへの警戒心がある。だから、日本の政党に、老害二階さんを除いたら、次世代の日中外交の担い手がいない。これってとんでもないことではないか。

経済では足元を見られ。政治のパイプはない。これでは平気で領海・領空を侵犯される。こんなことでは嫌中派が増えるばかりだ。メディアにあえて申したい。少なくとも「中国との交流で旗を振る人を批判するな」・・そのくらいの国家観を持て・・・でないと、日本は本当にアメリカの51番目の州になっちゃうぞ。Goto

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