年収の壁

働いて収入を得たならば、税金と保険料は何人たりとも支払う。

40年前の話ですね。
年金制度改正され「第3号被保険者制度」が誕生しました。
会社員に扶養される配偶者が自ら保険料を納めなくても
基礎年金を受け取れる制度です。

社会保険料や税の負担が生じないように働く時間を抑えてしまう
「年収の壁」って、この制度のことです。日本って不思議な国です。
一度決めたものは、時代にそぐわなくなってもなかなか変えない。
それが既得権益を温存するのですが・・・

そもそもです。この制度は女性は家庭で。男性だけが働くことを基本に組み立てられました。女性にとっては自らの年金が保障される。企業の配偶者手当なども受け取り易いといったメリットがありました。しかし、40年です。女性の仕事への意欲や能力を抑え、低収入、老後の低年金への誘因になってしまいました。

私の持論です。「変化こそ唯一の永遠」です。
先の衆院選で、ハング・パーラメントが生じて、国民民主党の「手取りを増やす」そのためには「年収の壁」を103万から178万円にすべきだとの主張を受け入れないと、国会が動かなくなります。

だからこの問題がクローズアップされていますが。自公与党だけが政権を握っていますと、何にも変化せず。40年前の制度を後生大事に守ることで終わりです。その意味でも「年収の壁」をぶち破り変化することは良いことです。

与野党の議論は「178万円」少々、上げ過ぎ。もう少し緩和できないか。
できない・・そんな議論になっていますが、取り敢えず123万円で決着ですが、本質的に考えてみませんか。乱暴かも知れませんが、そもそも、男女が働く時代です。

結果的に女性を家庭に縛り付けるって考え方でスタートしている「年収の壁」は・・・まず無条件で撤廃すべきです。そう思いませんか。そして壁の金額は
いくらが妥当だと議論しているのもおかしな話だと思います。

だってです。働いて対価を得れば、税金を払うのは当然です。
40年前の社会状況をベースに現代「いくらが妥当か」などという議論は陳腐すぎます。働くってことは保険料も税も支払うのです。そのことを前提に議論すべきではないでしょうか。

ちゃぶ台返しのような話ですが。
自分の都合の良い働き方で、受け取った報酬には税や保険料がかからないようにする。そんな虫の良い話がありますか?働き方改革もそうです。過重労働を減らすことだと言いながら。時短という名の働かないことを奨励する。同一労働、同一賃金という名の真面目に正規で働く人のやる気を削いでいく。

そして、できるだけ多くの収入を得て、税金も保険料も払わないことの
整合性に苦心する。これってどこか狂っていませんか?
そう思っているのは私だけでしょうか。

もう一度申しあげます。
働いて報酬を得たら、金額に関係ない。40年前の制度にしがみつかない。
税も保険料も(額は検討するのですが)喜んで支払う国民でありたいものです。
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