内緒

男の子って変ですね?
私が育った住まいは、昭和26年に建てられた岐阜県最初の鉄筋コンクリート4階建、24世帯入居の集合住宅です。間取りは、六畳、四畳半と二畳半の三室に台所とトイレ。
24世帯に昭和23年生れの同級生が8人。一年上が3〜5人・・・・子供がわんさ。戦災で焼け残った地区に建てられたビル?で、県営。応募者が殺到したと聞きました。が、何故か?入居の八割が県職員と新聞記者(我が親父殿も記者)。近所の人は、この四階建てを、アパートと呼び、周りの木造家屋居住者と区別していました。
アパートといっても、長屋の延長。上下、両隣、全て丸見え。大家族。子供たちは一日中、学校も勉強もほっぽりだして、野山を駆け回る日々。風呂も無く、夕方になりますと誘い合って近所の銭湯へ。
私には兄妹がいませんから、小学校に上がりますと、母親の内職に使われていた二畳半の小部屋が充てがわれました。本棚に机。万年床が足元に。それだけ。高校卒業までその部屋で過ごし、今でも、懐かしく思い出します。でも、アパートの子供では一番恵まれた生活環境でした。
その机の中には、そうです。裾の上から二段目の引出。そこが、私の宝物収納場所でした。宝物ですから、大切なモノが入っていました。裏山の隠れ家の場所を書いた地図。大相撲名古屋場所でもらった羽島山の手形。友達から巻き上げた貝殻。長良川で拾った小刀のような平らな石。等々。
あれから、何度か引越し、机も宝物も消失。残念です。そのなごりで、今の書斎(やはり、二畳半)の机の、裾の二段目の引出に。その後の、折々の宝物が入っています。殆どが赤茶けた新聞の切り抜き等ですが。
一昨日の中日新聞に「ドラゴンズ53年ぶりの日本一」の「号外」にプレミアが付き、一部2000円で取引されているとの記事が載りました。
貰ったんです。昨夜、その号外を。誰からとはいえませんが。家に帰りその引出にこっそり入れて、今朝も暗いうちから、「万歳」と大きく躍る紙面を眺め、「宝物」が・・・とにんまりしています。
男の子の内緒です。
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コメント

  1. Blue Sky より:

    「男の幸せは、秘密の多さで決まる」のだそうです。あじさい日記より。