最後の新聞売り・・・

仏大統領が、フランスの国家功労勲章を授与するそうです。

新聞命(しんぶんいのち)の私です。
「フランス・最後の新聞売り」にマクロン大統領が、その功績を認め、
フランスの国家功労勲章を授与しました。この男性、50年以上にわたりパリで
新聞を売り歩いている。大統領も学生時代に彼から買っていたと・・・粋な計らい、フランスらしいかな。

フランスの新聞販売は、日本とは構造が違う。宅配中止ではなく、「買いに行く文化」が基本。キオスク・郵便配達・デジタル化の3本立てです。
街角ある新聞販売店。雑誌や宝クジ、タバコなど一緒に販売。新聞は「単号売り」(1日分)が基本です。早朝から営業し、通勤途中に買う人が多い。定期購読する人は郵便局経由で自宅に配送される。到着は午前中になる。

他には新聞をわきに抱え、最新の見出しを声を上げて紹介しながら、街を歩き回る・・・「新聞売り」がいる。この男性、1973年からパリの街頭で新聞売りを続けてきた。働き始めた50年前には35〜40人ほどの同業者がいたが、今は彼ひとり。「昔は新聞を求めて人々が群がっていた。今は新聞を売るために客を探し求めねばならない」と。かつて、刷り上がったばかり新聞が1時間で80部も売れたことがあるが、最近はカフェを巡っても売れるのは多くて30部ほど。

しかし、彼は売れる部数の減少を気にしていない。
「私は、楽しく自由な人間、この仕事では私に命令する人はおらず、独立している。それがこの仕事をしている理由」だという。そんな彼の生き方も含めて大統領が国家功労勲章を授与したなら、いかにもフランス的ってことか。
私は理解できないが・・

でです。日本の新聞です。
日本は駅売も、コンビニ売りもありますが、基本は販売店を通して、月極め購読で宅配です。ざっくりです。00年・総発行部数・5371万部。23年・2860万部。読売が570万部・朝日339万部。中日・東京グループが227万部。(24・1月)と半減です。

当然に新聞販売店も減少しています。01年・全国で2万1615店舗。
24年には1万2935店舗。1万近い店舗が廃業しています。従業員ピーク時483,000人だったのが20万人を切っています。

私は購読する新聞がポストに配達される単車の音が好きです。
時々、玄関口で待ち構え、「ご苦労様です。ありがとうございます」と
直接に受け取ることがあります。びっくりさせてしまいますが。

日本でも、フランスのように、時の権力者が、新聞販売店主や配達員に国民栄誉賞を与える日が来るといいなぁと思う。そんな日は来ないか。日本新聞協会なら与えるかも知れないが。・・・新聞の衰退に寂しい限りです。Goto

コメント

  1. 藤掛庄市 より:

    新聞はデジタル版では駄目ですか?
    ニューヨークタイムズはデジタル版購読者が1,130万人、紙が63万人で、デジタル版購読収入が広告収入を上回っています。
    私はニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、そして日経の電子版を購読していますい。日経は紙面版も提供してくれますから広告も見れます。朝の3時に配信されます。スマートフォンでベッドの中で読めます。
    何より便利なのは、過去の記事の検索と保存です。

    • goto より:

      新聞はデジタル版では駄目ですか?
      早晩・駄目であろうがなかろうが、デジタル版になります。
      ですから、否定する必要はないと思っています。

      先生の情報入手方法の斬新さには敬服です。
      日経デジタル版は本当に充実してきました。

      文化論です。
      文化とは日常生活のことです。

      良い文化は日常生活に根付きます。
      悪い文化は駆逐されます。
      新聞が朝、単車の音と共にポストに投げられ、
      それを捲って、1日をスタートする。
      日常生活の始まりだったのですが・・・
      今はネットのニュースからです。

      日常生活から新聞紙が消える・・・
      悪い文化だとは思いませんが。
      新しい文明に取って代わられる文化だったのですね。
      それを残念だと思います。
      後藤拝