背中で語れるか?
「休みの日、子供たちをプールに連れて行く親父を「ろくでなし」なんて言っている場合じゃないよ、お父さん。お父さんが「育児無し」って言われるよ。」仕事にかまけ、家庭を顧みず、ひたすら働いてきた企業戦士を自認する親父としては、「どきー」っとする一文。
第57回全国小中学校「作文コンクール」の文部科学大臣賞に輝いた、さいたまの中学二年生木戸一樹君の「父の背中」と題する作品だ。中学二年といえば、14歳。文章構成の巧みさに驚くが、その洞察力、内容にびっくり。大臣賞となると、違うものだ。
「男は外で働いて、女は家庭を守る」という考え方を持つ猛烈社員が多くいた団塊世代の人々を先輩に持ち、長い間仕事をしてきたお父さんと、男女雇用機会均等法施行時に社会人となり「女性も男性と肩を並べ働ける時代を謳歌した母。この両親の子育ての解釈の仕方に微妙なずれを感じた僕。と、時代背景、社会の流れを、両親にからめて分析。驚く。
団塊世代としては、返す言葉もない。「家庭人としての男性の在り方についてずっと考え続けてきた僕」は、父をみて、不安になった。「自分の一番の課題は、職業人、家庭人としてのパランスを上手に取りながら満足感を得て、納得いく仕事を続けていくことは可能か」どうかということだ。と悩む。14歳が。
僕が大人になるころは、世の中が変わり、企業が男性の育児参加に理解を示し、その結果、男性がどんどん家事、育児を器用にこなすようになっているにちがいない。近い将来、子育てを夫婦で楽しむ家庭が街に溢れる日本であって欲しい。と理想の家庭像にも言及。ストレートでいいね。
そして、不器用で無口な仕事人間のお父さん、その背中を見続けていくことにするよ。と結んでいる。他人事とは「とても」思えない。考えさせてもらった。木戸君ありがとう。バランスの取れた人間に育って欲しい。
今更、遅いが、親の目線でしか、三人の我子を見てこなかったかなーと、反省しきり。昨日、59回目の誕生日、東京にいる伜が、北海道にいる伜が、岐阜の娘夫婦が「誕生日おめでとう、親父ガンバレ」とエールのメールをくれた。団塊世代、猛烈社員を続ける頑固親父には、ありがとう、と言うしかない。
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