衣替え

クールビズには節度があることご存知か？

雨季なのに。梅雨なのに、なぜ、6月は旧暦で水無月というのでしょうか？
そんな疑問を持った人は多いと思う。答えは至ってシンプル。
旧暦6月は新暦7月。暑さで水が涸れるからこの呼び名にが定番だが。

本来の呼び名は田植え仕事が終わり「皆仕月」田に水を張る「水張月」が
転じて「水無月」になった説もある。無はなしではなく「の」と読む。

6月は衣替え。起源は中国の宮中行事「更衣」から。
平安時代の中宮では4/1、10/1と年二回切り替えた。
優雅なモノで、日々の生活で積もった罪穢れを祓う意味合いもあって、
調度品も季節に応じしつらえを変えたと言われる。

江戸時代、幕府は四季に応じ年4回衣替えを定めた。
春と秋は裏地がついた着物「袷（合わせ）」に。
夏は裏地のない「帷子（かたびら）」に。
冬は表布と裏地の間に綿を入れた「綿入れ」を着用した。

これを庶民のしきたりとした結果、今でも衣替えの習慣が残る。
明治時代、官公庁の制服に洋服が採用されのを機に、新暦6/1、
10/1の二回を衣替えの日とした。

昨今は温暖化の影響もあってか。
05年から、夏、快適に働くことを目的とし、冷房に頼らぬ服装を工夫することを目的にクールビズが導入され、官公庁が率先。民間にも広がり、環境庁の
呼びかけににより5月〜9月30日までの5ヶ月間を夏の衣替えとしている。

クールビズって基本的にはノーネクタイ・ノージャケットだが。
ノーネクタイでも襟元がだらしなくならぬシャツに配慮する。
会議や訪問先には上着を持参するのがマナーだ。

クールビズであっても、第一印象で損なえば、その後の仕事展開に
手間取ることは避けるべきだろう。生産性も効率も悪くなる。

江戸時代に象徴される。身なりは同じでも、着物の通気性を考える。
そこに知恵があるべき。時々、クールビズだからと短パンにTシャツで
出勤する馬鹿がいる。職場は海水浴場やプールじゃない。
仕事は戦場。相手が不愉快にならぬようにすべきだ。

気象庁の長期予報では、今年は例年以上に猛暑、酷暑の日が続くという。
異常気象が常態化する昨今だ。連日メディアは猛暑を報じるであろう。
日常の会話も「暑いですねぇ」が挨拶がわりになる。

私は思う。寒いとか暑いとかいうと、気が抜ける気がする。
一日に何十回も暑い暑いなどを口走ると、暑さに負ける。
暑いのだから、暑いと言って何が悪と開き直る人もいるが、
私はできるだけ、なるべく、暑いと言わないように気をつける。

暑いと言っても自衛しなければ解決しないからである。
だから古来より衣替えがある。身なりを整え「暑いは禁句」にしたい。
気が抜けると人間に緩みがでて良い仕事はできぬから・・・Goto