さて、50代最後の歳。どう生きるか?
デカイ封筒が送られて来た。金融経済の最新情報を教えてくれる友人から。中身は「民主党総裁に犬飼毅氏決定」の三段見出しが掲載された新聞(昭和23年12月10日付・大阪本社発行・朝日新聞)。59回目の誕生日プレゼントである。
紙面は戦後の混乱期を写し出している。囲み記事は「戦犯処刑・票決の真相」と題し、A級戦犯の死刑決定の経緯が。社説には「自主的大局的判断を望む」として、官公労の賃金が次年度予算に及ぼす影響を懸念している。中記事には、正月選挙避けぬ。炭管疑獄事件等を報じている。
右隅には、株式欄。下段には、平林たい子の小説が二段組。広告は、記事中に化粧品のクロバー。づつうもかぜも「一目散」。記事下は別冊文芸春秋をはじめ書籍広告が。新聞一面の体裁は今も変らない。頑なと言えば頑なだが、記事までもが、政争に汚職、今と変らない。人間進歩がないのか?人間社会は、何時の世も、変らないのか?
インターネットが普及。情報収集手段が多様化した。戦後、ラジオが、テレビがと、新しいメディアが登場した。しかし、メディアの盟主として、新聞の地位は変らなかった。だが、昨今の購読部数減少は、新聞の在り方を決定的に変える時期にきた。といえる。
さて、どう生きるか?50代最後の一年。片意地張るつもりもないが、広告の仕事を通じ、少なからず、メディアと係わっている。メディアの使命と役割は重い。多メディア化する社会、新聞を始めとするメディアの在り方についてじっくり考え、その可能性を試す。そんなテーマで一年を過ごせれば。
生まれた日の新聞を何度も眺め、そして読み返し。そんな思いを巡らす。しかし、何処か?力が入っている。ふと「気付いた」。物事には、表も裏もある。大上段に構えた新聞の「表面」は解った。では、裏面はどんな記事が載っているのか?昭和23年、市井の息遣いが聞えるのではないか?そこに、50代最後の生き方の、大きなヒントが隠れているかもしれない。
ずうずうしいが、今から電話して、聞いてみるか?あの日の新聞ありがとう。「裏面」も読ませて欲しいと。
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Never too old to learn.