食文化の伝統を楽しみたいものです。
新米が旨いです。果物が瑞々しいです。山にはキノコが香ります。
長良川では落ち鮎漁が始まりました。故郷の野山は秋の味覚で溢れます。
ハウス栽培や輸入食品が季節を問わず、食卓を彩りますが、
季節に、季節の地モノを頂くのが、一番美味しいですね。
その土地には、地のモノに工夫を加えた、伝統的な料理があります。その代表が京料理なんでしょう。
故郷岐阜、取り立てて食文化があるわけではないのですが。あえていえば、この季節の、鮎づくしの料理が岐阜の食文化でしょうか。
川魚は苦手だ。と、おっしゃる向きもありますが、素焼の鮎にこの地方の赤味噌を掛けた「魚でん」。生きた鮎を醤油で煮しめた「赤煮」などは、どなたの口にも合う独特の鮎料理です。
それに、鮎料理の定番といえば塩焼き。お腹に卵を一杯持った大振りの落ち鮎は、焼き加減が非常に難しい。最近は、とんと御無沙汰ですが、一流の料理屋さんでは、三時間以上掛け、炭火でじっくり焼く。
香ばしさと、塩加減。たまごと、身のコントラストがたまらない。それに、目立ちはしないが器。やや濃いめの蒼(清流のイメージ)基調の有田焼の長皿。それに、笹の葉で彩りを添え、はじかみ(酢に漬けたものより素が良い)。それを、日本酒を舐めながら。
最近は地元の人でもあまり御存知ないが、海腹、川背と言って、川魚は、お客さんに背を向けて配膳します。岐阜の鮎料理は、鵜飼漁と共に歩んで来ましたので、1300年の歴史を有す伝統料理です。
その鮎を食する文化。長良川、揖斐川、益田川水系のヤナ漁に残され、河原で頂き、シーズン(夏から秋)には家族ずれで賑わいます。残念ながら専門店は数えるほどになってしまいました。
グルメ店を紹介する「ミシュラン」の東京版ガイドブックが大きな話題を呼びましたが、
近々に京都版がでるそうです。
しかし、京都の老舗は「一見さんお断り」。誰でも入れないのが魅力。星の評価を拒んでいる店も多いとか。「京料理は内ち水された玄関や手入れの届いた庭など、もてなしのすべてが文化、フランス人には分らない。が、理由だそうです。
なるほど、こだわりと、気概の京都らしいですね。と、にんまりしながら。
でも、鮎の塩焼きを美味しく頂くすべにも、無頓着になってきた最近の食文化。
ミシュランの世界標準に意味はあるのか?ないのか?
その前に、その土地の味覚を楽しむ食文化を大切にしたいと、思いつつ。
久しぶりに長良川の落ち鮎を頂いてます。 Goto
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