お客様へ「おもてなし」の仕込みを。
寒の入り。厳しい寒さが続いてます。この時期、岐阜県では平野部は太平洋側の気候。乾燥しますが比較的晴天が続きます。飛騨地方は高地で日本海側の気候、鈍よりした鉛色の雲。毎日粉雪が舞う辛い季節です。
冬が厳しければ厳しいほど、春が待ち遠しいのは世の常。飛騨人も「この凍み(冷え込み)が、最後やさな〜」と、春の訪れを心待ちにします。
そんな飛騨高山に、嬉しい知らせが届きました。それも二つもです。残念ながら、「呑んべ〜え」には堪えられない飛騨自慢の新酒ができた話ではありません。
ひとつは、1996年から他地区に先駆け、観光地としては異例の「誰にもやさしいまちづくり条例」を制定。訪れる障害者や外国人から様々な意見を聞き、市民を挙げて街のバリアフリー化を推し進めてきた。その努力と成果が国に認められ、バリアフリー化推進功労者大臣表彰を受けたことです。
具体的には、車椅子の車輪が道路の溝に落ちないように網目を1cm以下にしたり、車道と歩道の段差も2cm以下としたり、公衆、民間のトイレ130ヶ所を車椅子対応型などにと、徹底したバリアフリー化街づくりを進めた結果です。とても素晴らしい街になりました。
もうひとつは、日本の原風景とも言える、各地に残された歴史的な町並みを保存する「歴史まちづくり法」に基づく風致地区指定を受けたことです。全国で5ヶ所。金沢、萩、彦根、亀山とならんで認定され、予算措置も講じられます。
三年計画だそうですから、高山の古い町並みが、じっくりと整備できます。
関係各位の腕の見せ所。この認定も春を待つ、飛騨人には、まさに吉報です。
政府は日本国を世界の観光地と位置づけ海外から2000万人の観光客誘致を目標に掲げて、昨年観光庁を設置しました。外国人観光客の魅力を東京と京都以外にも広げたいと目論んでいます。
全国各地に、歴史的な街が保存され、そこに日本の文化や伝統が、脈々と息づき、観光地の選択が増えるべく、各地を競わせるのも、この「歴史まちづくり法」の目的です。
高山が、この賞と認定を励みに、飛騨の独特の文化と景観に磨きをかけ、バリアフリー化された街に更なる観光客を呼び込むことができれば、こんな素晴らしいことはない。地域の振興、活性化に繋がります。
問題は、飛騨人の気概です。気概とは困難に負けることなく、不屈の精神で立ち向かう意気込みです。
批判や怠惰を跳ね返し筋を通すことです。
二つの福音を齎したのは、国交省です。国交大臣は飛騨選出です。大臣の心根を真摯に受け止め、より以上に観光立市高山づくりへと、市民は心を一つに、気概を持って観光産業を育てるべきです。
激寒のこの時期だからこそ、訪れる観光客のために、「もてなしの心」を仕込んで欲しいものです。
飛騨で幼児期を過ごした Goto
コメント
歴史、文化、産業、そして町づくり(もちろん、酒づくりも)。日本を代表する観光都市として日に日に注目される高山。そういえば、「もてなしの心」も2級、1級、特級などがもらえる認定制度があってもいいかもしれませんね。市民が総力あげて、「もてなしの心」を学び、実践する地には特級をとか・・・。今の高山は何級かな?世界を目指すなら、もっとがんばらな。