汝の敵を愛せ

拝啓  読売新聞政治部次長殿
新聞は実に楽しい。世の中にこんな「いい加減で、身勝手な読み物」はないと、ほとほと感心する主張を読みました。4日付の読売新聞、政治部次長の署名入り「政(まつりごと)なび」です。
「なび」というのですから、方向を示したものなんでしょうが、これが読売新聞社の政権交代に対する基本姿勢だとしたら、新聞の正義は、どこに行ったのでしょうか?摩訶不思議です。
今度の総選挙の最大の特徴は、マニフェスト(政権公約)を掲げたことです。公約を絵空事にしない。掲げた政策は4年間で実現する。それが、できなければ、下野も覚悟する。ことを、国民に約束して戦ったことです。
次長殿は、その意味が解らないのか?それとも、そもそも公約なんてものは、痛いところに張る「膏薬」程度にしか考えてこなかった自民党政権と同様、所詮は守るべきものではない。と考えているのか?
まだ、新政権は発足していません。なのに彼は、堂々とこんな風にマニフェストを否定しています。「政権党に付くからには、政権公約に書いてあっても、時と場合に応じては、どんどん修正したり、改めるべきである」と。え??と、呆れてしまいます。
「農家への戸別補償制度は、日本農業の競争力をそぎ非効率の温存につながる。高速道路の無料化は国民が支持していない。温暖化阻止の中期目標25%では経済活動に支障がでる」
また「政と官の関係を見直す」のは官僚に邪魔される。「子供手当など直接支援は、貯蓄に回り、経済対策にはならない。疑問の多い政策は、止めてしまえ」と述べている。
この内容は、選挙中に自民党が民主党のマニフェストを批判したのと同じ。つまり、読売新聞は、国民の総意である民主308議席を、あくまでも認めない。自民党の広報部だと、自らを位置づけています。
だとしたら、読売新聞社の綱領に書いてある「一党一派に偏しない」「公平、中立、正義」の立場はどうなるんでしょうか?私は「新聞を読もう」と訴えている一人です。読売新聞のファンでもあります。
世界一の発行部数を誇る、読売新聞の社会に与える影響は絶大なものがあります。意のままにならない政権が発足するからといって、まだ、スタートもしていないこの時期に、「マニフェスト」を見直せ、「君子は豹変」するものだと、主張するのは・・・・・。
私にはとても、正常な判断だとは思えない。新聞が読者を騙してはいけない。次長殿の一文は、次長の立場であり、新聞社の考えではないと強弁されるのでしょうが。それでは、あまりにも豹変しすぎだ。
政権も交代したことです。思い切って「一党に偏ず」(自民党の広報誌の役割を果たす)と綱領を変え、堂々と自らの立場を明らかにされてはどうか。でなければ、何時まで経っても、マスコミが邪魔をして、日本に民主主義が根付かないと思うのですが。
次長殿に申し上げますが、こんな身勝手でいい加減な「君子、豹変」の勧めも結構ですが、大新聞の政治部のホープなんでしょうから、「汝の敵を愛す」寛容さも持ち合わせて欲しいものです。
天下国家のために・・・・・・・・・。                    Goto

コメント

  1. Goto より:

    そうですよね。下呂市出身の衆院議員が二人誕生しましたね。岐阜県は衆参合わせて、民主が9人、自民が6人の15人の国会議員になりました。人口割りすると凄い数ですね。地元の期待にこたえ、大いに暴れて欲しいものです。国会議員に利益誘導は禁物。有権者も要求しないようにせねばと思います。
                  Goto

  2. たんぽぽ より:

    巨人、大鵬、卵焼きは、とっくの昔に終わったのに、次長発言考えないと読売は永遠に不滅ではなくなってしまいますね。
    この際「下呂膏薬」を貼って治してください。下呂から2名の衆議院議員が誕生しました。「下呂公約」も楽しみにしています。