新聞力の衰退

毎日新聞社営業総本部企画「平成ありがとう。こんにちは令和」広告の是非を問う。
令和狂想曲ではないかとメディアの異常な報道ぶりに疑問を投げました。
そんなにムキにならなくても日本人は「熱しやすく冷めやすい」
「1ヶ月も経てば静かになるよ」と蘊蓄深い友人がひと言。
その通りですね。令和となってまだ、1週間ほどですが令和の声が急激に萎んでいます。
そもそもですが、若い人たちには元号なんて関心がないのかも知れませんね。
PCだってスマホだって、西暦での表示ですものねぇ。マスコミが報じねば……。
令和狂想曲で私が気になっていたことがあります。
それは毎日新聞が、2月からネットで公募した「平成最後の日、
令和最初の日、あなたのお名前を新聞に残しませんか」と言う、通称名刺広告です。
新聞広告では初の取り組みではなかったでしょうか。
広告主(個人ですが)をネットで集めたのは、それも掲載料、1名様3000円。前金で。
150年の新聞の歴史で初めての試みです。
結果は「ありがとう平成」が532名。「こんにちは令和」が791名でした。(写真参照)
企画・制作した毎日新聞社営業総本部の見解は聞こえてきませんが。
広告屋の私がみるに「この企画なら、最低でも1頁1000人で見開き2頁は可能」と
営業本部は踏んでいたのではないでしょうか。
「ありがとう平成」の方は、新元号を示す小渕官房長官以外の写真は穴埋め。
タイトルも全一段を予定していたのが、二段分。業界用語で言えば企画崩れ。
「こんにちは令和」も2,373,000円の売上では予定の半分にも満たないのでは。
どう考えても新たな試みは失敗だったと言わねばなりません。
私は二つの紙面と応募者の名前を眺めながら、こんなことを思います。
新聞(毎日新聞)に力がなくなったなぁ。公称400万部の毎日新聞、
限りを尽くして呼びかけても、791人の賛同しか得られない。
「新聞力」の低下は否めませんね。
氏名を拝見すると、ご家族での掲載が多いようです。
広告会社が企画すれば、家族割引があっても良かった。
販売店枠を設けて、購読促進に繋げる手もあった。
メディアの広告局って、やはり殿様商売かな。貪欲さがない。
それと、そもそも論ですが、改元前夜と当日の新聞を永久保存しようという発想が、
読者にあったのか。考えさせられます。「ありがとう平成」に付けられたコピーには
「1989年1月8日から今日まで………」とあります。
「ありがとう平成」というわりにはコピーは西暦で表示のまま、真剣に広告を集めたいと
思ったのかどうか、甚だ疑問です。「こんにちは令和」のタイトルコピーには
「平和な国を目指そう」と平和を強調していますが、応募した読者が望んだのは、
もう少し格調高い、新天皇に捧げる紙面だったのではと思います。
なんとなく、企画崩れ批判になりましたが、「新聞力」の衰えが顕著です。
毎日新聞社営業総本部の次なるチャレンジ企画に期待します。Goto
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