陸で育つ魚

沿岸養殖から陸上養殖へ・・・・

「おうみ海老」ってご存知ですか。
琵琶湖の辺りで、伊吹山の伏流水を使って長浜の電子部品会社が陸上養殖しています。海老は海で獲れるモノと思っていましたので、びっくりです。

海老の大半は東南アジアの海洋養殖を輸入しています。
たまさか、その養殖場を見学した部品会社の社長。大量に投入される抗生物質を目にして、こんな危ない海老を我々は食卓に乗せているのかと憤慨。それが発端となって、陸上養殖を始めたとのこと。

美味しいんです。冷凍パックで販売されているのですが・・
もちろん・・・甲羅というのですか。皮というのでしょうか。柔らかい。
パックのまま水で戻せば、刺身で頂けます。甘くて実に旨い。ボイルでも、
塩焼きやフライならば頭から食べられます。

おうみ海老は養殖する動機が、安全なモノを食卓にですが・・
昨今は、陸上施設での魚介類養殖が盛んになっています。
水産資源の枯渇が懸念される中、食糧確保と環境保護の観点から「陸で育つ魚」に注目が集まっています。

陸上養殖は海上養殖での課題である寄生虫などのリスクが低減します。
食中毒の防止などで付加価値を高め卸し価格は通常より2〜3割高いのが難点ですが、研究が進み、量産体制が可能になれば、現在販売されている魚介類から徐々に陸上養殖が主力になるのではないでしょうか。

国内での陸上養殖の例は・・・
山形県遊佐町で「サクラマス」・岩手県陸前高田市「スジアオノリ」・富山県入善町「アトランティックサーモン」・千葉県木更津市「サーモントラウト」・静岡県磐田市「バナメイエビ」・小山町「アトランティックサーモン」・三重県大紀町「ヒラメ」・津市「アトランティックサーモン」滋賀県大津市「トラフグ」長浜市「バナナエビ」・鳥取県米子市「マサバ」「ヒラメ」山口県長門市「トラフグ」鹿児島県南九州市「バナメイエビ」などです。

その他にも世界初となるカキの完全陸上養殖が沖縄県久米島で成功しました。
適温で綺麗な海水と餌の植物プランクトンが必要なカキです。陸上養殖は難しいと言われていましたが、久米島には海洋深層水の揚水施設と適温化設備があり、
植物プランクトンの大量培養にも成功、餌代を大幅に抑制。生育期間の短縮も実現しました。

気候変動は海の生態系にも変化が顕著です。世界中で魚介の奪い合いが起きています。日本は水産全体の24%を海洋養殖で占めています。しかし、沿岸養殖は海洋汚染などのため適した漁場は限られています。

そこで環境負荷が小さく漁業権の制約もない陸上養殖に光が当たっています。
陸上養殖の国内生産は21年に推定2356トン。養殖全体の1%未満ですが、
今後は陸で育つ魚が食卓を飾り、日本の水産業を担うことになるのではないかと期待できます。

おうみ海老・・・ネットでも購入できます。
ぜひ、お試しください。刺身は最高ですから・・Goto

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