関ヶ原外伝

一夜限りの野外朗読音楽絵巻で、戦国の武将たちを偲ぶ・・・

今日は9月15日です。何の日かご存知ですか・・・
「老人の日」ですね。「国民が老人福祉についての関心や理解を深める日、
高齢者が自身の生活の向上に努めるよう促すこと」を目的にしています。

9月第3月曜日の「敬老の日」と同じに思っておられる向きもありますが、
違います。敬老の日は「老人を敬愛し長寿を祝う日」ですが、老人の日は「老人福祉などの啓発を呼びかける日」で微妙に違います。

まぁ、有り体に言えば、「敬老の日」も「老人の日」もどうでもよくって、9月の第3月曜日を休日にして3連休をする。そのための便宜的な休日が「老人の日」です。2001年までは、まともに9月15日が「老人の日」で祝日だったのですが・・2002年から9月15日は老人の日、2003年からは敬老の日が9月第3月曜日と移動になりました。そもそもですが、老人なんてどうでも良いのです。だから「敬老」なんて言葉でお茶を濁しているのです。

でです。9月15日です。

9月15日は歴史の分水嶺です。そうです。慶長5年(1600年)9月15日。
石田三成率いる西軍と徳川家康の東軍が・・この岐阜・関ヶ原の地で、
この国の覇権を賭けて激突。信長の野望が潰え、秀吉の思いが消え・・家康が天下を納める・・まさに歴史の分水嶺となった、関ヶ原の戦いの日です。

7日の土曜日、その関ヶ原合戦の地において、岐阜県と関ヶ原町の主催で、
一夜限りのオペラ・演劇、野外朗読音楽会・追憶・関ヶ原外伝が開催され、
出掛けました。まさに三成が本陣を敷いた、その場所を野外ステージに、壮大な戦国絵巻が・・・音楽にも演劇にも疎い私ですが、芸術の秋を堪能しました。

物語は原作。台本 長谷川晃示、構成・脚本・演出 小島紀夫
岐阜県出身の声楽家・城宏憲さんが石田三成を、田島聖子さんが淀殿を好演、
城さんが敗色濃い戦局で三成を奮い立たせる心情を描き・・ベッリーニ作曲・歌劇「ノルマ」より「将軍ポリオーネのカヴァレッタ」を独唱。

淀君の孤独と不安を描いて・・カッチーニの「アヴェマリア」を島田さんが熱唱。他にも家康の不退転の決意を描いて・・・ヴェルディ作曲 歌劇「ナブッコ」より「カヴァレッタ」を角田和弘さんが、戦場全体に響きわたるバリトンで歌い上げました。歌はアヴェマリア以外は分かりませんでしたが・・・プログラムを読み込んだおかげで・・・私ってオペラを聞く才があったのではないかと勘違いしました。

物語は、武将たちに交差する「義と利」を横軸に戦火に散った武士たちへの鎮魂と平和への祈りを縦軸に、見応えのある歌劇でした。朗読を担当した竹下景子さん、さすが。やはり一流の俳優は違うわいと感嘆しました。

この関ヶ原の歴史的価値を見つめ直す歌劇が一夜限りであることに。
戦国の武将たちに無常の愛おしさを感じました。
今日9月15日は、岐阜・関ヶ原で天下分け目の合戦が繰り広げられてたと思うと、上弦の月を眺めながら、杯を傾けたい気分です。Goto

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