新聞協会賞発表

朝日新聞社の「自民党派閥の裏金問題報道」・岸田政権をぶっ飛ばした・・

今年ももうそんな季節かと、新聞を捲りながら感慨深い。
秋に開かれる第77回新聞大会(日本新聞協会主催)のことです。今年が秋田市で開催です。その目玉はなんと言っても24年度の新聞協会賞です。

毎年、9月の上旬に発表されます。今年はどんなスクープが選出されるか。
まぁ・・毎年のことです。全国紙を中心にバランス良くブロック紙・ローカル紙から選出されるのですが。今年は誰がなんと言っても「これ」ですね。
この記事が表彰されるに異存はない。そう思っていました。

受賞は朝日新聞が23年12月1日付朝刊トップで報じた「自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道」です。「安倍派・裏金1億円超か・パー券不記載・立件視野・ノルマ超分・議員に環流・東京地検特捜部」とのトクダネです。

自民党最大派閥・安倍派が政治資金パーティー収入を裏金化して所属議員に環流し続けた疑いをスクープした。センセーショナルでしたねぇ。その後、各社が後を追った結果、次々と実態が暴露された。総裁派閥の岸田派も派閥解散に追い込まれた。

そのスクープが引き金となり内閣支持率が10%台まで下落。8月14日、岸田首相の退任表明に繋がり、今、実施されている自民党総裁選挙になっている。
一つのスクープで時の政権を瓦解させてしまうのですから新聞の力は捨てたものじゃない。・・さすが朝日です。

これだけは加えておこう。「派閥のパーティーの問題が火を吹きそうだ」「東京地検特捜部が安倍派の事務員から事情聴取している」と囁かれ始めた、スクープの端緒は共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の報道に基づく告発による。赤旗もやるじゃないですか。最近は文春砲もびっくりですね。

受賞理由は「政治とカネを巡る構造を多角的に掘り下げ、裏金問題の解明を終始リードし社会に強いインパクトを与えた」その上で「自民党の派閥解体や政治資金の規制法の改正などの流れに大きな影響を及ぼし、権力監視の役割を果たした」と評価した。これぞ新聞の力です。あっぱれ・・・

このブログのテーマは「新聞を読もう」です。朝日新聞。最盛期には800万部の購読者数を誇っていたのだが、今では300万部を切ったと言われ・・存続の危機が叫ばれている・・・そんな新聞の経営状況で記者の数も制限されている中での新聞協会賞です。嬉しいじゃないですか。

朝日は5日の朝刊一面で3段抜いて・・
「本社に新聞協会賞」との見出しを付ける気持ちは理解できます。

その朝刊、7ページには「自民党派閥の裏金問題」報道、「不都合な事実解明」として・・・事件を巡る経緯を丁寧に綴っています。そこには取材班のメンバー・東京社会部14名・政治部7名・ネットワーク報道部6名・大阪社会部1名・経済部2名の計30名の記者を実名で披露しています。

私は改めて彼らのジャーナリズム精神に敬意を表したい。
10月16日から秋田で開催される日本新聞協会大会で表彰されるのだが・・
どうぞ、胸を張って堂々と受賞されたい。おめでとうございます。

他の新聞協会賞は中日新聞社・福祉事業会社「恵」の不正に関するスクープと一連の報道。高齢者福祉を食い物にする福祉事業社に鋭くメスを入れました。
北國新聞社。能登半島地震「珠洲市街地に押し寄せる津波、輪島朝市通り炎上」のスクープ写真。衝撃な紙面でした。

この秋、新聞の役割と価値をもう一度見直そうではありませんか。Goto

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