韓国原発増設

李在明政権、左派路線から転換

韓国の左派系政党の指導者、**李在明大統領が原発2基の増設計画を決断した。かつて「脱原発」を掲げた文在寅**政権の路線を、事実上修正する大転換である。

理念は大切だ。しかし国家経営は理念だけでは回らない。電力という血液が滞れば、いかなる産業政策も、いかなる福祉政策も絵に描いた餅となる。韓国では総発電量の約3割を原発が担い、26基が日本海沿いに並ぶ。今後、データセンターを含む情報通信技術部門の電力消費は急増し、2030年には現在の2倍以上になるとの予測もある。世論も54%が建設を容認し、反対を上回った。

左派の大統領が、かつての保守政権の原発推進路線を承認する。ここに、国家の現実を見る。イデオロギーよりも、国益。党派よりも、未来。これが成熟した政治の姿ではないか。

翻って我が国。高市政権は衆院選で圧勝し、安定基盤を得た。安保政策や憲法改正に対して、朝日や毎日は警戒を強める。メディアが権力を監視し、少数意見に光を当てることは民主主義の根幹である。野党が議席を減らした今こそ、その役割は重い。

しかし、原発問題はどうか。総選挙で争点にならなかったとはいえ、経済成長を一義に掲げ、積極財政を標榜するならば、廉価で安定した電力供給は避けて通れぬ国家課題である。エネルギーコストが高止まりし、供給が不安定なままでは、AIも半導体も、データセンターも、日本に根付かぬ。理想的な財政出動も、電力という土台がなければ空中楼閣である。

韓国も日本も資源小国だ。再生可能エネルギーの拡充は当然進めるべきである。しかし天候に左右される電源だけで、24時間365日止まらぬ産業基盤を支えられるのか。現実は厳しい。原子力はリスクを伴う。だからこそ、徹底した安全対策、透明な情報公開、厳格な規制体制のもとで運用するほかない。「安全神話」への回帰ではなく、「安全努力」の不断の積み重ねである。

私は敢えて言う。既存原発の再稼働すら躊躇し、増設論議を封じる空気の中で、日本が情報通信技術分野で世界と伍して戦えるのか。電力が高く、供給が細る国に、未来産業は根を張らない。国家の競争力は、エネルギー政策の成熟度に比例する。

理念を掲げることと、現実を担うことは別である。李在明大統領の転換は、左派が右派に屈したのではない。国家存立のために、政策を再構築したに過ぎない。日本もまた、感情的対立を超え、国益から出発する議論を始めねばならない。

国家を憂うとは、声高に叫ぶことではない。未来世代に、持続可能で、かつ競争力ある社会基盤を残すことである。原子力をめぐる議論も、その一点に立ち返るべきだ。経済成長を志向するなら、エネルギー戦略を語れ。そこに目を向けぬ限り、いかなる大勝も、いかなる積極財政も、真の繁栄には結びつかないのである。Goto

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