哀れなるかな日産

経営者の「メンツと嫉妬」が、企業の未来を阻む・・・・

トヨタが25年3月期連結決算を上方修正。最終利益4兆5200億円になるとの見通しを発表した。昨年11月時点での予想を9500億円上回る。売上高は47兆円。円安による為替レートの押し上げもあるが、日本一の優良企業であることに違いない。それでもトヨタのトップから聞こえる声に「ゆるみや妥協」はない。

この世は実に無情だと思うのだが。トヨタが過去最高益を発表した日に・・
年末経営統合を発表したホンダ・日産が協議を中止・白紙撤回すると
報じられた。

中国や米国のEVが台頭・自動運転車も視野に入る自動車業界。
生き残りを賭けて命懸けの状況にある。低迷著しい日産だが、ホンダとの経営統合で活路が見えてきたと、思ったのだが。残念である。
どうして協議が打ち切られたのであろうか。

新聞報道を読めば「文化の違い」が統合を阻んだというのだが。
果たしてそうであろうか。違うと思う。私の感覚では「日産に日産を愛する経営者がいない」に尽きるのではないか。なぜか。簡単である「20年に及ぶカルロス・ゴーンのトラウマ」から抜け出せない人たちが経営陣だからです。

そうです。嫌なのです。ギリギリとコストカットで詰められ、売れ売れと急かされ、早く早くとイノベーションを迫られる。そんなゴーン流の企業経営に戻るのが。よく言えば「優しい」のです。悪く言えば「甘い」のです。

だってです。役員会で「子会社化を打診され」プライドが許さない。
そんなことで協議から逃げるんですから・・・信じられない。

「役員会で反対の意見が多かった」のでなんてことを口にするトップなど少なくとも経営者ではない。そんなトップを中心に経営している日産は、残念だがもう終わりだね。そう思うのだが、本当のところはそこにはないと思う。

ゴーン騒動後、誰が今のトップを選んだのか。
日産は日本15財閥の一つ鮎川財閥・150社の系譜企業です。
フランスのルノーなら海外だから経営権を譲っても「自分たちのメンツ」は保たれるが(それでゴーンに横暴を許したのだが)新興のベンチャー企業・ホンダ如きの子会社になるなんて屈辱だと・・・どこからか役員の何人かに圧力があったのではないか。ゲスの勘ぐりだが。

まぁ、信じ難いのだが、この国には我々庶民には想像もつかない妖怪が潜んでいるのだと思う。でもです。ホンダとの協議が頓挫したとなると、自力再建ってことになるのだがそれは無理。白紙にしたのは良いが、ではどうするのか「それが語れない」そんな軟弱な経営陣なら、ここぞとばかり、日産の買収を模索していた台湾・ホンハイあたりがを虎視眈々と狙っているのは必定。
それこそ不幸ではないか。いや。その方が良いかも。

経営学者のドラッガーはいう
「経営者には2つの使命がある。ひとつは投下資本以上の価値を創造すること。
もう一つは目の前にある課題と将来展望を調和させること」だと。どちらも持ち合わせていない経営陣を選んだ日産の悲劇が現実味を帯びている。
復活の最後のチャンスを自ら摘んだ日産・哀れかな。言い過ぎか?Goto

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