過ぎゆく夏・政治を問う

ハングパーラメント状態への覚悟がない・・・

7月に参院選がありましたね。お忘れではないでしょう。
自公は参院選の公約に「全国民一律2万円給付」を掲げました。
選挙結果は与党敗北に終わった。にも関わらず政権は「給付の見直し」を
打ち出した。公約の見直しです。経済対策の再検討を進めるとして・・・

公約を変更するとは、すなわち公約を守らないことだ。
こんなことが罷り通るのが政治であるならば、思い付き場当たり政治、
まさに政治不信の極みといえよう。

石破首相・衆院・都議選・参院と連敗を重ねながらも政権を維持している。
与党が最重要政策を反故したまま居座る姿勢は、国民の理解を得られるものではない。本来ならば、政策転換に伴う責任の取り方や新しい枠組みへの移行を検討すべき局面である。加えて、現在の国会は衆参いずれも与党が過半数を持たぬ「ハングパーラメント」となっている。この状況に即した新たな政治体制、部分的な連合や与党の組み替えを模索すべきだろう。

一方、野党側も決して十分な受け皿となっていない。
立憲は2万円の給付・消費減税・給付つき税額控除などを打ち出している。
どう考えても政策の寄せ集めに見え、理念と一貫性を欠いている印象が強い。
国民受けの「良いとこ取り」に終始する姿勢では、政権を担う現実的選択肢としての信頼を国民から獲得するのは難しい。結局、与党が信頼を失い、野党第一党も期待を集めきれない。二重の閉塞ではないか。

国民生活は物価高騰に直撃されている。
ガソリン税の旧暫定税率廃止や減税による可処分所得の増加を望む声は根強い。
円安による税収増は事実として示されているにもかかわらず、給付も減税も実現しない現状に、多くの国民は不安を募らせている。選挙で「ノー」を突きつけられても政権は変わらず、公約は反故にされる。この矛盾が、政治への不信を決定的に深めている。そう思いませんか。

私如きがこれからの政治などと大上段に振りかざすのは烏滸がましいが、
この夏、参院選で、国民は政治に今とは違う方向性を求めた。
第一に短期的には生活を直撃する物価高への対応として、ガソリン税を含む暫定的な減税を実施し、国民の手取りを直接的に増やすこと。第二に中期的には社会保障や税制を再設計し、給付と負担のバランスを明確にした持続可能な制度に移行すること。

そして、これが根幹だが、政治体制のあり方そのものを見直し、
ハングパーラメントに対応する柔軟な連立や合意形成の仕組みを整えることである。国民の望むのは、耳障りのよい給付ではなく、安定的で持続可能な生活基盤を築く政策だ。政治がその原点に立ち戻り、変化に応じる実行力を示さない限り、政治不信は解消されず、むしろ深まる一方ではないか。

夏が終わります。
この夏、国民が歴史的な方向性を示した参院選があったことを記しておく。Goto

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