日本オレンジシンボル運動をなぜやらねばならないか
児童虐待をなくす――。
この社会課題だけは、何としても解決したい。私たち中広グループが強い覚悟をもって取り組んでいるテーマです。
当社は毎月1,280万部の『地域みっちゃく生活情報誌』を、北海道滝川市から九州・沖縄の宮古島まで、全国1000万を超える家庭に直接お届けしています。家庭に戸別配布される媒体として、これほどの規模を持つものは日本で唯一です。だからこそ、家庭内で起こる児童虐待という問題に正面から取り組む使命があるのです。
子ども家庭庁の統計によれば、虐待死は年間50人以上。毎週ひとりの子どもが虐待で命を落としている計算です。死に至らなくとも、心身に傷を負った子どもの数は把握しきれません。児童相談所や警察に寄せられた相談件数は2023年度で38万件を超えました。これが平和国家・日本の家庭で現実に起こっている暴力です。これを犯罪と言わずして何を犯罪と言うのでしょうか。
だから中広グループは、児童虐待防止運動を自らの使命として取り組みます。11月の児童虐待防止月間には、子ども家庭庁の呼びかけに呼応し、日本各地のランドマークをオレンジ色に染め上げ、虐待防止のシンボルを社会に示す。そして「虐待だと思ったら189番」を徹底して周知する。地域情報誌を持つ我々だからこそできる啓発活動を、全国で一斉に展開しているのです。
そんな矢先、北海道札幌市で痛ましい事件が起こりました。今年1月、母親が10歳の長男に暴行を加え、「ごめんなさい」と叫ぶ声が響き渡る。その様子を、自宅に設置した見守りカメラが克明に記録していました。本来は子どもを守るはずのカメラが、逆に虐待の証拠を残すことになったのです。母親は起訴され、地裁は有罪判決を下しました。裁判長は「重大な結果を引き起こしかねない悪質な態様」と厳しく指摘しました。もし映像がなければ、この事件は闇に葬られていたかもしれません。私は憤りを禁じ得ませんでした。
子どもが受けた傷、家族に入ったヒビを修復するのは想像を絶する困難を伴います。保護監察官や児童相談所の必死の支援がなければ、再生はありません。子どもが安心して成長し、家族が再び温かな日常を取り戻すために、社会全体で支えねばならないのです。
虐待が「日常的にある国」であってはならない。私たちが発行する情報誌は、単なる生活情報誌ではありません。地域に根を張り、家庭の扉に届く、日本で唯一のメディアです。その責任を自覚し、全国で児童虐待防止のオレンジシンボル運動を広げます。
中広グループは声を大にして訴えます。
子どもの命と心を守るために。
虐待は「気づけば止められる」犯罪です。
だから私たちは続けます。児童虐待防止活動を――。Goto
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