風邪とメディアと、年末を元気に迎える知恵
初雪が降りました。寒暖差が激しい年末年始の繁忙期、誰しも体調管理には気をつけたい。だが現実は、風邪を引く人が多い。忙しさもあるが、気温の乱高下に身体がついていかないのだ。
そこで今回は、少し懐疑的な視点で書きたい。「風邪が流行るのは、メディアの煽り方も一因ではないか?」という、そんな思いである。
まず、コロナ以降、私たちは何を学んだのだろう。結局のところ、コロナも強い“風邪”の延長線上にあったのではないか。症状はほぼ同じだ。発熱、鼻水、咳、喉の痛み。結局、予防法は変わらない。手洗い、うがい、人混みでのマスク着用。シンプルだが、これ以上はない。コロナ禍で痛いほど学んだ。
罹患する人の多くは、気温の変化への対応が遅れる。ぞくっとしたら厚着をし、身体を温め、汗をかく。初期段階で治す工夫が必要だ。体内に入り込めば仕方ない。市販の風邪薬を飲み、睡眠を増やし、栄養価の高いものを食べ、“身体が菌に勝つのを待つ”——これが王道だ。大概の風邪は、三日もすれば回復する。
問題はここからだ。メディア、とりわけテレビの煽り過ぎである。「インフルエンザが過去最大の流行だ」「コロナ再来か」「医療逼迫」「新株に治療薬なし」
毎年の“お決まりの映像”——医院で人があふれ、咳をする人の顔を抜き、日本地図を真っ赤に染め上げ、「危険地域はこちら」と不安を煽る。これ、冷静に考えればただの“季節性の風邪”だ。にもかかわらず、まるで日本列島に未曽有の危機が迫っているかのように選んで見せる。
極端な言い方をすれば、これは報道ではなく“脅し”に近い。注意喚起と不安煽動は紙一重だ。だが今の多くのテレビ報道は、後者に傾き過ぎてはいないか。「針小棒大」とはこのことだ。
社会を不安に陥れ、「視聴率」という名の利益を追う。私はこの風潮を“歪んだジャーナリズム”と申し上げたい。そもそも、インフルエンザが増えるのは季節要因が主たる原因である。寒暖差、疲労、乾燥。誰にでも起こり得る自然現象であり、“煽りマップ”で表示するような災害ではない。
だからこそ、私たちは落ち着きたい。手洗い、うがい、睡眠、栄養、体を温める——これだけで大半の風邪は防げるし、治る。難しいことではない。どうかこの12月を、メディアの不安に飲み込まれず、自分の身体の声を聞きながら乗り切っていただきたい。
そして無事に繁忙期を越え、元気に、笑顔で、新しい年を迎える。そのためにも、まずは冷静に、そして着実に“日々の対策”をしていきたいものである。Goto


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