本音を語ろう

物価高と働く意味の核心を就いてみる

「本音で語ろう」。年の瀬になると、なぜかこの言葉が胸に響く。
しかし本音とは、好き勝手に言うことではない。

己の根っこにある価値観を晒し、逃げずに向き合う“覚悟”である。先哲の言う「本心を養う」に通じる。飾らず、しかし相手を傷つけるためでもない。
本音とは人生を背負った言葉であり、責任と優しさを伴う成熟の声だ。

さて、物価高が止まらない。
デフレに悩んできた日本は、ついに本格的インフレに突入した。食料品を中心に値上げラッシュ。消費者物価指数は10月まで 43ヶ月連続で前年比2%以上 の上昇である。

企業の姿勢も変わった。「もう自助努力では吸収できない。適切な価格転嫁をする」——これが企業の本音だ。大手食品メーカーのトップは「日本ほど価格に厳しい国はない。値上げを言い出すのが怖かった」と吐露する。そして「値上げで生まれた原資を賃上げに回す。それが社会の好循環を生む」これも本音である。

しかし、現実はそう甘くない。
特に中小零細企業は値上げのタイミングを誤れば一気に顧客を失う。市場から弾き飛ばされてるだから生き残るために“値下げ”で差別化に走る企業もある。これもまた、本音だ。

だが、それでは賃上げなど夢のまた夢。
これも厳しい本音である。

ではどうするか。価格を上げられない企業の従業員が収入を増やすには、働く時間を増やすか、副収入を得るほかない。「働き方改革」に逆行するようだが、背に腹は代えられない。これが現場の本音だろう。

今年の流行語大賞は、高市首相の「働いて働いて働いて働く」皮肉に聞こえるが、私はそこに哲学を見る。

働くとは何か。私はこう思う。「人間だから働く」のだ。働かぬ社会に未来はない。日本経済が沈む根本は、働きが細くなったからだと私は考える。これが私の本音である。

身を粉にして働けば必ず報われる。もし報われぬとすれば、それは社会が歪んでいる。その歪みを糺すのは、働いて働いて働いて働く政治家であり、また私たち一人ひとりの覚悟である。これもまた、私の本音だ。

本音とは叫ぶものではなく、育てるもの。
本音で語り、本音で働く——その積み重ねが、きっと日本をもう一度、元気にする。

年末に働こうぜ。などと喚くのは、私の戯言であろう。でもどんな泥濘みにはまって身動きできぬ状況でも、腹を括って本気で働けば抜け出せる。
この国はその人を絶対に見捨てはしない。

むしろ、本音で立ち上がるのに手を貸してくれる。Goto

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