この国の再生は「働いて働いて働いて働いて働くこと」
今年の流行語大賞が発表された。「働いて働いて働いて働いて働いて参ります」
10月、自民党総裁に選ばれた高市氏が放った第一声である。
私は久々に胸のすく思いがした。政治家の言葉で、これほど「骨のある」言葉を聞いたのはいつ以来だろうか。情けないポピュリズムばかりだった。
続けて高市氏は「所属議員全員、馬車馬のように働いてもらう。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てる」と宣言した。馬車馬で結構。政治とは本来そういうものだ。所属議員とは、総裁選で彼女を推さなかった議員まで含めて、である。これまた痛快だ。「働かざる者食うべからず」。政治家こそ、最前線の労働者であって欲しい。
だいたい、働かない政治家が多すぎる。関心は政策ではなく金、地元利益、保身。そんな政治に未来はない。そりゃ日本が弱くなるのも当たり前だ。
考えてみれば、この国はエネルギーも食料も海外頼み。今や経済の中枢たるIT基盤でさえ米国に握られる始末だ。かつて日本がロックフェラーセンターを買い、ニューヨークの摩天楼を震わせた時代があった。
その勢いが続けば、米国経済が日本に振り回される――アメリカが最も恐れた未来である。そこで登場したのが“日本弱体化シナリオ”。余暇だ、休暇だ、ワークライフバランスだと甘い囁きを送り込み、「働く意欲」を根こそぎ奪っていった。結果、世界一の休祝日大国が誕生。働かない法案「働き方改革」なら与野党一致でスイスイ通過。まんまと術中にはまったわけである。(そりゃ何十年も掛けて弱体化させるのだから、米国もしたたかだよ)
気がつけば日本は世界3位どころかドイツに抜かれ、インドに抜かれ、いまや6位。韓国にも東南アジアにも迫られ、EU諸国にも追われ、BRICS諸国の息遣いすら背後に感じる。世界の縮図の中で、日本だけがぬるま湯に浸かっていた。
そこへ颯爽と現れたのが高市“ジャンヌダルク”である。戦後80年のぬるさを断ち切るがごとく、「働いて、働いて、働いて、働いて、働きます」自民党の長老や官僚に絡め取られてはいるだろうが。昭和の企業戦士としては、これ以上ない喝采を送りたい。
今年の流行語大賞は、久々に未来を切り拓く言葉となった。あなたはどう思いますか?過労死遺族らの抗議に賛同しますか。高市氏は「働き過ぎの奨励や長時間労働を美徳とする意図もありませんので誤解なきよう」とも言いながら、午前3時から公邸へ。いいじゃないか。それでこそ一国のリーダーだ。
と来るとです。今年の漢字は「働」で決まりだろう。
日本再生は美辞麗句でも補助金でもない。働くことを、もう一度美徳として取り戻すことから始まるのだ。Goto


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