都市鉱山を掘れ

高市政権の本気度を問う― 日本は資源なき国にあらず

「日本は資源がない国だ」と、私たちは長らく教えられてきた。確かに石油も鉄鉱石も、地面を掘れば湧き出る国ではない。だが、それは“地下”の話である。視線を地上に移せばどうか。

私たちの手の中にあるスマートフォン、家電、車、工場設備――そこには金、銀、銅、レアアースをはじめとする貴重な元素が無数に眠っている。
これこそが地上にある「都市鉱山」である。

日本は世界有数の工業国だ。半世紀以上にわたり輸入資源を加工し、高度な製品として国内に蓄積してきた。その総量は、元素によっては世界埋蔵量の一定割合に匹敵するとも言われる。掘れば出る。しかも既に日本の中にある。これを資源と言わずして何と言うか。

昨年12月、茨城県の産業技術総合研究所に「戦略的都市鉱山研究拠点・技術普及推進センター」が開設された。ここでは高度な破砕・選別・分析装置が整備され、都市鉱山から回収した原料を天然資源と同等の素材へと再生する技術が実証されている。

併設のミュージアムに掲げられた周期表は雄弁だ。現代社会を構成するほぼすべての元素が、技術的にはリサイクル可能であると告げている。

これは単なる環境施策ではない。経済安全保障そのものだ。仮に中国がレアアースを外交カードとして揺さぶりをかけるならば、我々は一時の困難を恐れる必要はない。圧力はむしろ覚醒を促す。追い込まれれば、日本人は知恵を絞り、技術を磨き、道を切り拓いてきた民族である。

高市政権は、26年度からは環境省を中心にレアアース確保へ向けたリサイクル支援が本格化する。回収網の整備、保管施設、抽出・検査設備への補助――国家の意思は明確だ。国内資源を活用し、輸入依存を軽減する。その決意が示された。

ここで問われるのは、私たち一人ひとりの覚悟である。不要となった電子機器を眠らせておくのか。あるいは都市鉱山として世に送り出すのか。小さな回収の積み重ねが、国家の背骨を強くする。廃品一つが日本経済の血流となる。これは誇張ではない。

私は声を大にして言いたい。日本は資源なき国ではない。日本は資源を活かし切れていない国だっただけだ、と。団結したときの日本人の底力は、歴史が証明している。外圧が高まるほど、内なる炎は燃え上がる。技術立国の矜持は伊達ではない。

中国よ、日本を侮るなかれ。
そして日本人よ、自国を侮るなかれ。

都市に眠る鉱脈は、我々の手の中にある。掘るのは国家であり、企業であり、そして私たち一人ひとりだ。団結の力が結晶すれば、都市鉱山は世界を驚かせる成長の源泉となるだろう。

資源は地下ではなく、志の中にある。その志が結集するとき、日本経済は必ずや再び強く輝く。Goto

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