30年には50万人を切る

人口減少、諦めるのか、それとも空気を作るのか?

出生数70万5809人。統計開始以来、最少を10年連続で更新。前年比2.1%減。在日外国人や在外日本人を含む数字であり、日本人に限れば実質60万人台である。

1973年、第2次ベビーブームの209万人を頂点に減少へ転じ、2016年に100万人割れ、22年に80万人割れ。そしていま70万人台。半世紀にわたる下降線だ。

個人の生き方が多様化したこと自体を否定するつもりはない。結婚しない自由、子どもを持たない選択、それは尊重されるべきだ。問題は、国家としての持続可能性である。

50年間、政権が交代するたび人口減少・少子化対策は最重要課題とされたが、歯止めはかからない。30年には50万人を切るとも言われる。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、70万人台は42年とされた。それが大幅に前倒しされた。推計は推計である。しかし、その数字を基に社会保障も教育も産業政策も設計される。見通しが外れ続けることの影響は計り知れない。怒りをぶつけても出生数は増えぬが、現実を直視しない国家に未来はない。

若者を責めても意味はない。経済的不安の中で子育てを現実的でないと考えるのは当然だ。東京都が巨額の支援策を講じても焼け石に水。もはや国や自治体の支援の問題でもない。

ならば発想を転換すべきだ。江戸期は4000万人規模だった。その水準で豊かに生きる国家像を本気で描くのか、それとも人口減少を前提に産業構造を組み替えるのか。覚悟ある設計図を描くべきではないか。現実は見えない。

一方で、外国人排除を唱える声が強まる。だが、私たちの生活は誰かの労働で成り立つ。働き手が減る国で移民を拒んでどうするのか。外国人が日本で働く価値があると思えばの話である。多分、日本に行って働きたいと思う外国人はいなくなる。私はこの驕りをいい加減にせよと申し上げる。

昨年、日本の輸出額はイタリアに抜かれ世界7位。国力の後退は隠せない。人口減少は単なる数字ではない。未来を育てる意志の減退である。

勤勉さで経済大国となったが、豊かさの中で志を失ったのではないか。働かない改革を推奨し、自分さえ良ければという空気が蔓延すれば、子育ては重荷になる。

そんな国に未来はない。出生数が半世紀減り続ける現実を、私は憂う。憂うだけでなく、国家としての覚悟と方向を示さねばならない時に来ている。

乱暴だが、誰かが言わねばなるまい。先ず政治にだ、人口減少を容認するのかどうか。メディアに結果適齢期の若者は子どもを持てと、そのことを真剣に考えろと論陣を張れるか。そしてメディアだ。少子化を本気で憂いているのか。
猫でも犬でもあかん。人間の子どもが欲しい空気を社会が作れるか?Goto

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