余る生乳、農水省は本気で知恵を出して欲しい。
食べることは、命をつなぐ営みであり、同時に社会の姿を映す鏡でもあります。
最近、食にまつわる三つの話題が気になりました。
一つは、私が時折利用する全国チェーンのうどん店です。昼どきには多くのお客さまでにぎわい、注文から提供までが実に合理的です。私のお気に入りは、茹でたてのうどんをそのまま味わう釜揚げうどん。天ぷらを一、二品添えれば、短時間ながら満足のいく昼食になります。
その店が、食品製造を委託する取引先への支払代金を不当に減額したとして、公正取引委員会から勧告を受けたとの報道に接し、残念に思いました。便利さも、おいしさも、働く人の工夫も、仕入れ先、製造委託先との公正な取引があって初めて成り立ちます。目先の利益のために、力の弱い取引先へ負担を押しつける経営は長続きしません。商売とは、売り手よし、買い手よし、世間よしでなければならない。繁盛店であればあるほど、その原点を大切にしてほしいものです。
二つ目は牛乳です。私は毎朝、牛乳をいただきます。関節リウマチと付き合う身として、骨を少しでも丈夫に保ちたいという思いもあります。ところが今、牛乳の消費が伸び悩み、生乳が余ることが酪農家の深刻な問題になっています。
牛は機械のように、明日から生産を止めるわけにはいきません。飼料代や燃料代も重く、酪農家が減産で調整することには限界があります。飲用牛乳だけでなく、バター、チーズ、ヨーグルトなど保存性のある乳製品への加工を充実させ、需給の波をならす知恵が要ります。安定した牛乳を当たり前に飲めるのは、酪農家の不断の努力のおかげです。農林水産省には、生産者を守りながら国民の食卓を守る、実効ある政策を期待します。
三つ目は、若者の間で広がる「お菓子を食事代わりにする」動きです。お菓子とは本来、食事の合間に楽しむ嗜好品です。しかし今は、たんぱく質、食物繊維、ビタミンなどを加えたクッキーやバー、珍味類が、忙しい朝や小腹を満たす一食の代役になりつつあります。物価高、米価の上昇、調理をしない即食ニーズが、その背景にあるのでしょう。
朝食は、できるなら温かいご飯や味噌汁、卵、牛乳などをゆっくりいただきたい。それが理想です。ただ、生活のリズムが変わる中で、何も食べずに出掛けるより、栄養を考えた食品を口にする方がよい場合もあります。
食は時代とともに変わります。しかし変えてはならないものがあります。それは、作る人への敬意と、命をいただく感謝です。食卓から、人間らしい社会を守りたいものです。Goto


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