私の愛読紙、石巻日日新聞から、秋の話題をお届けします。
東北の夏は短いものです。石巻の川開きが盛大に行われたと思ったら、いつの間にか秋の気配が漂い、やがて木枯らしの吹く季節がやってきます。実りの秋、石巻地方では今年も、収穫への感謝を込めた祭りや催しが開かれました。
まず紹介したいのは「桃生(ものう)ふれあい祭り」です。2026年は「はねこ踊りフェスティバル」が盛大に行われ、8,000人を超える人でにぎわいました。メインイベントの「はねこ祭りパレード」には12団体、約700人が参加。豊作への感謝を込め、伝統の跳ね踊りが披露されました。
東北の祭りには、人が跳ねる姿がよく似合います。青森のねぶた祭りでは、踊り手を「跳人」と呼びます。秋田の竿燈祭りもそうですが、祭りに加わった人たちが体いっぱいに喜びを表し、跳ねる。石巻のはねこ踊りにも、実りを喜び、地域の人々が心を一つにする姿があります。
新聞には、こんな句が載っていました。
「出来秋の 跳ねて満つ満つ 黄金色」
祭りの喜びと、黄金色に実った田んぼの風景が重なるようです。踊りのコンテストでは、地元の小学生5人によるユニット「ガールズ5」が最優秀賞を受賞。寺崎はねこ踊り保存会の皆さんも、鮮やかな衣装でリズミカルな踊りを披露しました。
こうして子どもたちや地域の人が伝統を受け継いでいくことは、何より大切なことだと思います。平成7年から続くこの祭りが、これからも長く続いてほしいと願わずにはいられません。
石巻魚市場では「石巻大漁まつり」も開かれました。マグロの解体ショーや、握りたての寿司の振る舞いが恒例です。今年は宮城水産高校の3年生18人が、事前にプロの寿司職人から握り方を学び、来場者250人に寿司を振る舞いました。シャリとネタの配分ひとつで、できあがりが変わる。生徒たちにとって、石巻の水産業を肌で感じる貴重な経験になったことでしょう。陸の五穀豊穣を祝う祭りがあるように、海の恵みに感謝する祭りがある。水産都市・石巻らしい秋の催しです。
芸術の秋には、第41回石巻美術展も開催されました。日本画、洋画、書、彫刻、陶芸の5部門に、高校生からシニアまでの作品292点が出品されました。祭りのにぎわいとはまた違う形で、多くの人が芸術に触れる秋となりました。
もう一つ、心に残ったのが、リボーンアート・フェスティバルの常設作品「ホワイトディア」を中秋の名月とともに鑑賞する特別ツアーです。インターネット上に現れた迷い鹿を3次元スキャンし、彫刻作品として形にした白い鹿。夜の海辺で、周囲のイルミネーションに照らされて浮かび上がる鹿の姿。その向こうに月が輝く――なんとも幻想的な光景です。鹿と月と海。石巻の自然が、作品の一部になるようです。
そして、10月に開催された航空自衛隊松島基地の航空祭。空を舞うブルーインパルスを多くの人が見上げました。日本郵便の宮城県東部地区連絡会が募った、隊員の皆さんへの感謝の手紙は558通。地域の人々が、国を守る隊員を思い、見守っている。その気持ちが手紙になって届いたことを、隊員の皆さんも喜ばれたそうです。日本航空と東松島市による折り紙飛行機の飛距離競争も行われ、子どもたちは工夫を凝らした翼を大空へ飛ばしました。
祭りも、芸術も、航空祭も、折り紙飛行機も。形は違っても、そこには人と人を結ぶ力があります。土地の恵みに感謝し、伝統を受け継ぎ、地域の人々が笑顔を交わす。秋の催しは、地域の宝を確かめる機会でもあるのでしょう。
来年は、私も桃生ふれあい祭りではねこ踊りを見てみたいと思います。石巻の秋を訪ね、跳ねる人々の熱気を感じてみたいものです。あなたも一緒に如何ですか。Goto




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