櫂より始めよ

市民の何人が川面を訪れますか?
夏の風物詩、岐阜長良川の鵜飼が始まりました。
10月15日まで、満月の日を除いて、毎夜、古典絵巻を繰り広げます。
1300年の伝統を誇る鵜飼、
毎年、観光岐阜のシンボルとして期待されています。
しかし、昭和40年代に35万人の観覧船乗船客数を集めましたが、
近年は、十万人がやっと。今年は、愛知万博(05年)時の12万7千人が目標とか。
夏休みには、家族で乗船、鵜飼を楽しんでもらう「ファミリー船」
6月には船上で落語を楽しむ催しも企画されているそうです。
産業が衰退し、経済の疲弊が著しい岐阜市。
鵜飼が観光客を呼び、活性化の起爆になればと願います。
長良川に親しみ、川に生かされ、川の恵みに感謝する岐阜市民として、
鵜飼についてこんなことを思います。
まず、岐阜市は、鵜飼を中心にした、観光都市を目指す覚悟があるのか?と問いたい?
あれば、シーズン中。周辺を、漆黒の世界にすべきです。
鵜飼はかがり火です。川面に映える炎。その灯りに魚が集まる。
それを、鵜匠が鵜を操り魚を追う。幽玄の世界に、観光客をいざなう。
それが、徹底できるか?地方は、観光立地を目指し、しのぎを削っています。
その地方間競争に打ち勝つには、本物でなければなりません。
鵜飼の観光とは、都会の中心を流れる川が、漆黒と静寂の世界に変わり、
「鵜匠と鵜と鮎」が炎を挟んでの真剣勝負、本物の漁を楽しんでもらうことだと思います。
長良川の鵜飼は、幻想的だ。別世界だ。本物だと認められ、
堪能頂けば、観光客の数もすぐに、15万、20万と増えます。
いや、増えなくてもいいかもしれません。
1300年の伝統を市民が自らの手で守り継承する意思があり、その心が育てば。
果たして、40数万の岐阜市民で、何人の人が鵜飼見物をしたことがあるでしょうか?
何人の人が関心を持って、年に一度は、見物に訪れるでしょうか?客様をお誘いするでしょうか?
以外に関心のないことが分かります。物事は、「櫂より始めよ」と申します。
観光客誘致よりも、市民に対する調査や分析をすべきではないかと思います。
そして、市民を巻き込み、市民の理解を得る努力をすべきだと思います。
そうすれば、漆黒の世界を作ることにも市民は進んで協力します。
それが、結果的には一番多くの観光客を誘致する方法だと思うのですが。
如何でしょうか?
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