ゆりもどし

前に進むには、少し戻った方が良い。
相撲界八百長疑惑で揺れてます。相撲ファンの私としては、長い歴史、色々な事があります。
慌てるから疑惑が持たれるんです。愚直な相撲を期待します。
相撲の技に「揺り戻し」という決まり手があります。
がっちり組み合って、下手投げに見せかけて、相手を揺さぶり、反対側に投げつける大技です。
土俵の鬼といわれた先代二子山(「若乃花)の得意技でした。
流通業界の革命児と言えば、古くは「流通革命」のダイエーですが、昨今は何といってもネット通販の「楽天」です。
日本はアメリカとは違い、面積の小さな国です。生活必需品は山村僻地でも大体のものは入手できます。そんな事情もあって、ネット販売の利便性が定着するには多少時間が掛かってますが、次世代流通の主力であることは間違いありません。
ネットやモバイルを利用して物品を購入する層も、物流の発達と、メディア情報の徹底もからんで、最近では随分と年齢が上がり、我々のような還暦世代にまで抵抗がなくなってきました。
その次世代流通の中核「楽天」が、ここにきて、顧客獲得に古い流通手段の紙媒体、雑誌を創刊するという。IT企業は、概して古い媒体への参入には一線を隠してきました。
如何なる風の吹きまわしか?訝しく思っていましたら。
インターネット仮想商店街「楽天市場」で取り扱う育児商品の無料雑誌を東京や大阪の産院百か所に計三万部発行設置。それにQRコードを付け、携帯の個人サイドに接続し、雑誌を通じて新規顧客をネットに誘導するそうです。
地域密着型の生活情報誌を家庭に毎月86万部配布する我社としては、IT流通の雄、楽天が紙媒体で下手投げを打って、ネットに呼び込む雑誌創刊。この顧客獲得の「ゆりもどし」戦略がが読者に通じるかどうか?とても楽しみです。
時代が新しいものを求めるとき、ことほど左様に、古い手法に一度「ゆりもどし」てから
前に進むのだとしますと、若乃花の大技の妙が懐かしく思います。
大相撲、来月は今年の締め、九州場所です。
一歩前進するには後退覚悟で「ゆりもどし」てはと、思うんですが。                             Goto

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