政党の品格が問われる「政治広告」
衆院が解散され、各政党が本格的な選挙準備に入った。追っ付けテレビCMも始まるだろうが。
先行する新聞広告やネットCMでの、あまりにも露骨な他党批判には眉をしかめたくなり、逆効果になることも知っておいた方が良いとおもう。
例えば、22日付の全国紙に掲載された自民党の広告。比較広告の積りなんでしょうが。品格が無いですね。国民の目は肥えています。それも、新聞を読む人は時世に敏感。世の中が良く分ってます。
そんな読者に向かって、過去を棚に上げ、他党を批判するのは如何なものか?政権政党なら政権政党としての王道があると思うのですが。広報の司令塔までピントが外れてしまったのではないかと思います。
そう言えば、去年の10月。麻生総理の就任施政方針演説。まるで、野党のように民主党を批判していましたっけ。そのときも、とても見苦しいと思いました。政党の品格が問われてしまいましたね。
広告屋的に現下の国民心理を分析しますと、「不満と不安」の狭間にあるといっても過言ではないと思います。不満は、不況への苛立ち、先が見えない社会、広がる官民格差などからくる閉塞感によるものです。
不安は、未知なるものへの漠然たる恐怖心です。変化を嫌う保守的な気持ちです。
言い換えれば、自民党に対する不満と民主党に対する不安が、交差する状況だと思います。
にも拘らず、不満を抱かれている政党が、不安を煽って支持を得る手法が、正しいかどうか?
不満解消の手段に不安を増幅させる内容の広告を打つのは、明らかに間違いです。(とてもプロの広告屋が仕組んでいるとは思えません)
不満を解消する手を打つべきです。難しくはありません。簡単です。「改革の速度を速める」内容にすれば良い。「自民党をぶっ潰す」「郵政民営化は、改革の本丸」と分り易いスローガンを掲げて、大勝利したではありませんか。その路線はどこへ行ってしまったのでしょうか?
その改革路線を放棄したのなら、私には見えていませんが、それに変るスローガンが必要です。
路線も示さず、不安だけを煽るようでは、もはや、政権政党とは言えません。
つまりは、政権党に未来がないのが、「日本の未来が、危ない」ことになります。
広告合戦とは、言いませんが、現代の選挙戦では、広告(広報)(教宣)は勝敗を左右する重要な武器です。もう少し、情勢分析をしっかりして、活用しなければ逆効果になります。
ましてや、小選挙区は、地域事情も違いますから、大枠の方針と地域に自由度を持たせる小枠の使い方を上手くミックスさせるべきだと思うのですが。
因みに私の卒論は「政治広告」だったんですがね・・・。
だれも「不満と不安」解消広告の提案を相談に来ませんが・・・・・・・。
Goto
7/22読売新聞
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