政治不信

メディアのマッチポンプ、ちょっぴりやり過ぎではないでしょうか。
いやはや・・・メディア論調の無責任さには呆れます。鳩山首相が退任。小沢幹事長も辞任。その理由は「普天間基地移転」問題で言動と結果に齟齬があった。その結果責任と。
「政治とカネ」の問題で自らの秘書が罪に問われた。幹事長の秘書が逮捕起訴された。その二つだそうです。まさに、メディアが民主党のツートップを批判してきたことに応えた結果の退陣です。
私は、参院選までは、歯を食いしばって・・・続けて欲しかったと思っていますが・・・。参院で、ふたたびねじれが生じれば・・政権を維持するのが大変・・・惨敗覚悟で選挙戦に突入するわけにはいかない。
国賓である温家宝中国首相を、気持ち良く迎え、その後に退陣したのは、ギリギリの選択だったのかなーと思います。歴史的な政権交代。準備不足で、未熟な政権でしたが・・・私は良くやった・・ご苦労様と申し上げたい。
メディアは、主張が通ったのですから、溜飲を下げたかと思いきやどうも、そうではないらしい。
新聞各紙は、読売が「甘えと幻想の結末」。日経は「失政9ヵ月」を生かせるか。朝日が「古い政治と決別できるか」。毎日は「失政から光明を」と政治部長の解説を掲載しています。
読んでみますと・・・いづれも御尤もですが。どうも本質を外している気がします。日本は大きな国です。政権交代したからといって、そんな簡単に・・国をガラッと変えることはできません。例えば、各紙が同じ論調で官僚主導を排して、政治主導を標榜したことを間違いだと批判するのはおかしいと思います。
官僚が省益と天下りを繰り返し、この国を衰退させたのはまぎれもない事実です。それに火を付けたのはメディアです。政権がそこに手を突っ込んだ結果、官僚のサボタージュを招き、政府内の混乱が起こったのです。その責任は、官僚たたきに加担したメディアにもあるのではないでしょうか。
叩いておいて、官僚を上手く使わないと言って政権の未熟さを批判する・・・・・・このようなやり方をマッチポンプといいます。
メディアが、意図的にマッチポンプをやるとは思いませんが、その場限りの恣意的な報道は宜しくありません。それに、メディアは何を報じても、まったく責任を負わなくても良いのですから無責任と言わざるを得ません。それがまかり通るならばジャーナリズムは成り立たないと思います。
責任がないから何を書いても良いとするならば、それはエセジャーナリズムでしかありません。
少なくとも、新聞は批判のための批判を繰り返すのではなく、まずは政治家、時の宰相にたいする最低限の「畏敬の念」を示すべきです。その後に、問題点を整理すべきではないかと思います。自分の責任は棚に上げて批判を繰り返せば・・・メディアの影響力からして国民は政治に不信を募らせます。
政治が信頼をなくして一番困るのは、政党でも政治家でもありません。国民です。
私の手元に去年の6月27日付けの日経新聞の切り抜きがあります。内容は「鳩山代表、首相退任後の衆院選「出馬せず引退」との考えを明らかにしたとの記事です。
自民党が再生、再興できない原因は、色々あると思いますが、私は首相経験者が何時までも議員バッチを外さないことに起因しているのではないかと思っています。小泉さんは潔かった・・・・。
で、各紙の政治部長が見解を示すように、鳩山さんは失政を重ねたかもしれない。しかし、日本の憲政史上画期的な政権交代を成し遂げた宰相として、メディアはそれなりの評価をすべきではないでしょうか。
今日、新しい総理大臣が選ばれるようですが。参院選で民主党が負けて、メディアが批判のための批判を繰り返せば・・・・。この国の政治不信は取り返しのつかないことになりと思います。
次回の衆院選挙に、鳩山さんが出馬しない時に・・・彼は公約を守る男だと言ってみても・・・後の祭りだと思うのですが。政治不信払拭にメディアも考えてもらいたいものです。                                                                         Goto
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