国見

「朝ぼらけ天下睥睨(へいげい)美濃の山」
今日から9月・・夏も終わりです。この夏、花火見物にお誘いしたニュー親族を、二歳と3ヶ月になった孫娘を連れて、我愛する故郷の山・・金華山の頂き(山歩きは暑いので早朝)岐阜城に案内しました。
「朝ぼらけ天下睥睨美濃の山」・・・・その折に浮かんだ一句です。山頂にある岐阜城は・・城主が住んでいたわけではありません。天守閣から領下である濃尾平野を国見のためと、敵国の襲来を監視する物見の矢倉です。
「美濃を制するモノは天下を制す」とは、司馬遼太郎さんの「国盗り物語」の一節ですが。天守閣からの一望は・・・南は木曽川・尾張・・遠く名古屋市を一望・・晴天には港が見えます。
西は遠くに伊吹山、その南に養老山脈。その山間が関ヶ原・・・京へと続きます。東は中山道から信州へ。北は飛騨路に向かう山並み。まさに絶景です。
国見とは地方の長(おさ)が高い所に登って、国の地勢や人々の生活状態を観察することです。睥睨とは睨みつけて勢いを誇示することです。何も真夏の山頂で、親族集って濃尾平野を羨望し、国盗りを標榜したわけではありませんが・・・・。
この夏の思い出として。故郷をこの目に治めて見ました。山道をわき目も振らず・・ひたすら天守閣めざし・・・小走りに登る孫娘の姿・・・・この子達のために何ができるのかとの思いを・・・・抱きて。
先ごろ亡くなった・・俳人森澄雄さんの「国見」の句を読みながら・・・・。       Goto
飛騨の夜をおおきくしたる牛蛙
鮎食うて月もさすがの奥三河
向日葵や越後へ雨の千曲川
               (読売新聞・追悼・森澄雄さん国見の句より)
                                               

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