すり鉢

我社の生活情報誌は・・・・とことん地域密着です。
子供の頃の話である。親父殿が生まれた山深い郷、岐阜県武儀郡洞戸村(現・関市)・・毎年冬になると、叔父が山から掘り出してきたと・・・藁に包んだ「自然薯」を届けてくれる。それを正月に頂くのが我が家の習わしでした。
頂く自然薯は字のごとく、深山に生える天然モノ。かたちも、木の根っこのようにくねくねと曲がっていて、5年物とか、6年物もある。秋口に生息地を探し、雪の降る前に掘り出すのだそうで、山に長けていないと入手できない代物です。
料理方法は、醤油で煮込む・・いわゆる「山芋の煮っ転がし」がお節を飾るのだが。すり鉢で卵で割りながら、皮をむいたヌルヌルの自然薯をおろして、熱々のご飯に搔け、醤油を少し垂らして頂くのも定番。山の精を生で頂くんですから・・・滋養強壮・・栄養満点、酒の後にはもってこいです。
我社の生活情報誌「らせる」(岐阜県・土岐・瑞浪市・35770部・全戸配布)壱月号の新年巻頭は・・・・地場産業の陶器から、全国シエアの60%を占める和道具「すり鉢」についての特集でした。
そのリードの部分に・・・和食に欠かせない料理道具として、ひと昔前にはどの家庭の台所にも見かけた「する鉢」・・・子供が最初にした料理のお手伝いといえば・・・ゴマをすったり山芋をおろしたりするときに、「すり鉢」を押えることではなかっただろうか・・・の一文に、親父殿が好きだった自然薯を思い出しました。
すり鉢の歴史は6世紀に遡るそうです。日本人の古き良き食文化の「道具」が、職人の技によって・・・陶器の街、土岐、瑞浪市に脈々と受け継がれていることに感動を覚えます。   
日本唯一の「すり鉢」の博物館が、シエア日本一のマルホン陶器所にあるそうです。日本の文化を守ろうとの心意気が嬉しいですね。ぜひ、訪ねて見たいものです。            Goto
追伸
「すりばち館」(土岐市駄知町・問合せ0572-59-8730)

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