福地茂雄さん

より早く、もっと速くの姿勢で被災地の文化振興に貢献する・・・
「うーん」と思わず・・唸ってしまいました。公益社団法人・企業メセナ協議会の福地茂雄理事長のインタビュー記事(毎日新聞11日付け朝刊)を読んで・・・。
福地さんといえば、スーパードライを世に送り出し、低迷していたアサヒビールの経営を再生させた立役者です。一般的には金融機関から派遣された樋口広太郎さんの方が名前が通っていますが・・・。
更には、NHK。報道情報をもとに、職場で株の売買を繰り返し・・・インサイダーで逮捕された職員。制作費を水増し請求して・・・関係会社に振り込ませた事件・・など不祥事が続き、統治機能を失ったNHKの会長に、三顧の礼をもって迎えられ、職員の綱紀粛清を始め、正常なNHKを再建した人でもあります。
昨今・・・日本経済の衰退が著しく・・・企業のメセナ活動も大幅に鈍化しています。ましてや、大震災の影響で経済に赤信号が点灯するような状況です。企業はますます保守的になり、スポーツや文化事業に対する支援の打ち切りや縮小化する傾向にあります。
そんな折。福地さんは、被災地の芸術文化活動に対してこの2ヶ月間で25件の助成を行い、更には「東日本大震災芸術・文化による復興支援ファンド」を立ち上げ助成体制を強化しています。素晴らしいことだと思いませんか。私は感動しています。
その理由を読んで・・・さらに私は唸っています。
被災地の人達は土砂降りの雨に打たれています。芸術文化による地域再生を主張している団体が黙って見ているわけにはいかない。「傘をください」と声が掛る前に「傘はどうですか」と声を掛ける。そのスピードが必要です。
それぞれの地域に人をつなぐ文化があります。被災地では混乱が収まると心の渇きを感じる人が増えてきます。地元の自治体に人や予算を芸術文化に向ける余裕はないでしょう。現地の事情を知るアーティストの背中を押すことで地域の文化を守ることができればと・・・・
震災直後・・人が集まるイベントはことごとく中止の時期がありました。大反対です。社会はそれぞれの人がそれぞれの生業を果たすことで成り立っています。全部が自粛したら社会は大変なことになります。館長をしている東京芸術劇場と国立劇場に「早期公演再開を指示しました。
芸術文化の催しをむやみに自粛したがるのは日本が恵まれているからです。水や空気と同じで、芸術文化もあって当たり前と思っている。確かに芸術文化が無くても人間は生きて行ける。でも、それでは人間らしくは生きられない。芸術文化は人間が人間らしく生きるための必需品です。
少し・・長くなりましたが・・・このフレーズに大感動です。芸術文化は人間の必需品・・・凄い。
福地さんは・・・こんなことも述べておられます。震災と原発災害を契機に「国づくりの在り方が問われていますが?との質問に、経済再建策のみで社会再生を図るのは愚策の反復でしかない。自然や歴史を生かしたコンパクトな社会を生み出す。文化による社会創造を求めるべきではないか・・・・と。
福地さんのモットーは「より早く、もっと速く」だそうです。岐阜の田舎の文化振興に対する姿勢を見ていますと・・・「企業メセナ協議会」に福地さんのような人を理事長に迎えれたのは・・・日本文化芸術にとって・・・至福ではないかと思うのですが・・・・・褒めすぎでしょうか?      Goto

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