貿易赤字

そうなれば、そうなれば、現実を正視し、発想の転換を。
2011年の貿易収支が31年ぶりの赤字と、財務省が発表しました。貿易立国日本。加工貿易で国が成り立っている。それが、赤字では、えらいこっちゃと、悲観的になる人。逆に、大震災の影響、円高、タイの洪水など、特殊要因が重なっただけ持ち直すと楽観視する人。さまざまですが。
日本の国際収支は一体どうなっているんでしょうか?貿易赤字をどう捉えたら良いのか?経済指標を読み解くのはなかなか難しい。素人ではよく分からないのですが、私なりに考えて見たいと思います。
まず。外貨準備高。堅調です。資本収支は大幅黒字です。サービス収支、所得収支、経常移転収支ともに、黒字です。貿易収支は、赤字になりましたが経常収支は黒字です。これらを合算する国際収支は、依然黒字です。ですから、国際収支は黒字です。
と、いうことは、企業でいえば、何本かある収入源の一つが 不採算となったが、企業としては黒字を維持しているってこと。ただ、問題は、その不採算事業が、企業の中核をなしている。それが問題だってことになります。
だから、メディアは貿易収支が赤字になれば、経常収支も赤字になる。そうなれば、国際収支も赤字になる。そうなれば、稼げない国。借金を返さない国になる。そうなれば、国際価格が下落する。そうなれば、経済に大打撃を与え、日本経済は沈没する。との自虐的な論調で、悲観を煽っています。
果たして、そうなんでしょうか?円高で、日本の製造業は悲鳴。海外に生産拠点を移しています。大震災と直接には関係ありません。高齢化で労働力が不足しています。それも、大震災とは関係ありません。日本は、貿易立国であり続けられない状況があります。
それを、貿易立国でなければならないと、考えるのが正しいのでしょうか?
私は大いに疑問です。
所得収支が、経常収支の60%です。だとすると、円高は追い風です。日本人は額に汗してモノづくりに励むことを美徳としています。勿論、私もその一人です。人間はそうあるべきだと思っています。
所得収支とは投資収支です。モノづくりに力を入れ、貿易の振興を図ることは、収支の基幹として重要なことですが。東京を金融マーケットの中核と位置付け、その分野での、成長を見込むのも、貿易収支赤字対策ではないでしょうか?
そんな、単純なモノではないとお叱りを受けると思いますが、貿易立国至上主義こそ、この国の未来を塞いでいるのではないでしょうか?31年ぶりに陥った貿易赤字を契機に、現実を正視し、発想の転換を図れないものかと、考えるのですが・・・・Goto

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