ぼうさい甲子園

鋭角的に再編成するのも良いですが、備えるための地道な報道も。
「備えあれば憂い無し」と申します。読売新聞23日朝刊。トップで、「首都直下型地震。4年以内確立70%マグニチュード7級。東大地震研究試算(写真参照)と報じ、翌日の朝刊各紙とテレビが一斉に追い、巷では3/11の余韻と相まって「備え」気分が高まったのだが。
地震研の発表は昨年9/16。首都直下/M7級/30年以内98%、4年以内に70%とは発表していないと。でも地震余地センター長にいわせれば、30年以内98%と4年以内70%は同じ。だそうで、間違ってはいないとのこと。
読売は公表済みのデータを鋭角的に再構成し、「4年以内」を強調したことで反響を呼び、オールマスコミの怒涛の報道となった。(毎日新聞、風知草1/30付から)
鋭角的に再編成って?意味がよくわからない。30年先なら、ピンとこないが。4年先ならオリンピック。許容範囲の時間ってことなのだろう。で読者が驚いた。その驚きを鋭角的にっていうのだろうか。それとも、30年で98%は4年で70%と時間軸をずらすことを、鋭角的というのか?
私には、発表データのすり替えに過ぎないと思うのだが。記者という人種は、巧みに大衆を煽るものだ。そもそも、余地なのだから、間違いではないが、社会に動揺を与えるのが新聞の使命だと勘違いだけはしないで欲しい。
阪神淡路大震災以降。「ぼうさい甲子園」なる催しが神戸で開催されているのをご存知だろうか。主催はひょうご震災記念21世紀研究機構と毎日新聞社。今年で8回目。小・中・高・大学生の部門に計92件の応募。28団体が入賞。
東日本大震災の被災地から参加した釜石小学校、釜石東中学校が2連続でグランプリに輝いた徳島市津田中などと表彰を受けた。(写真参照)
メディアが報じる首都直下型4年で70%「備えあれば憂い無し」です。煽るのは大いに結構ですが、問題は、備えることです。煽りは、話題にはなりますが、備えに繋がるとは思えません。
このところ、富士山周辺で地震が多発しています。関東・東海地震の発生確率が高まっているようです。願わくば、地道な防災への取り組みを続ける「ぼうさい甲子園」などの活動を、積極的に報じて欲しいものです。
主催が毎日新聞だからと、他紙が無視する偏狭な姿勢では、新聞は社会不安を煽るだけじゃないかとの批判を招き、ますます価値を落とすのではないかと危惧します。Goto
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1/23読売新聞                  1/30毎日新聞

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