心からのお願い?

まだ、検証の途中・・・このタイミングで、辞任ですかねぇ?
朝日新聞は14日、「吉田調書」誤報問題で、第三者機関「報道と人権委員会」(PRC)が記事取り消しは妥当とまとめた「見解」を受けて、社長の辞任を発表した。社長は9/11の記者会見で謝罪しつつ「再生の道筋を付けた上で速やかに決断する」と語った結果だが・・・
PRCの「見解」で辞任するのは中途半端な気がする。道筋をつけるためには、まだ、慰安婦報道検証のために立ち上げた「第三者委員会」の結論も出ていないし、再生のためには出直し的改革もあり得ると発足させた「信頼回復と再生のための委員会」は12月には結論をまとめるとしているのに・・・・
失礼な言い方かもしれないが。あくまでも自分の責任は「吉田調書」の誤報だけ。慰安婦の問題は過去の話。私には関係ない。企業体質まで踏み込むなんて、越権行為、余計なお世話。だから、ボロボロになる前に、余力を残して撤退。後は院政を引いてほとぼりを冷ます。そんな不遜を感じます。
なぜそう思うのか。15日付・朝刊に「辞任にあたって」と題した弁を読んだからです。辞任の理由を「PRCの見解に続いて、来月には慰安婦報道に関する第三者委員会から誤報が国際関係に与えた影響を含め提案を頂く。信頼回復と再生のための委員会が全社的な改革プランを公表すべく作業をしているので・・・
再生めざす道筋はつきつつあると判断し、経営トップの交代を行うこととした」と述べています。「来月に提案がでる。プランを公表すべく作業が進んでいる」だったら、委員会を作った時点か、その前に辞任すれば良いではないか。その結論を聞かないと再生の道筋は見えないのでは。
一方で「私の辞任で一連の事態に対する責任を明確にしたうえで、新体制がこれから出される第三者委員会の提言を真摯に受け止めて誠実に実行して行くことで、読者のみなさまの信頼回復に向けた歩み進めたい」と後任に託していますが・・・・
取締役会がどんな状況で行われたかは定かではありませんが。なぜ社長の他に新たに代表権のある会長を置くことにしたのか?これも社長の意思ではないのか?新体制の記者会見が行われるのでしょうが。色眼鏡かもしれませんが、どうも、潔さを感じません。
「慰安婦報道検証特集で誤報を取り消して謝罪しなかったこと。池上さんのコラムの掲載を辞めさせたことは大きな判断の誤り。いずれも最終責任は経営トップの私にあります」「過去の負の歴史に光をあてる報道やジャーナリズムの本質的な役割である調査報道で、誤報や記事取り消しを招いたことは痛恨の極み」・・・・・
「簡単に読者の信頼を取り戻すことはできないが、再生の道を一歩ずつ歩もうとする朝日新聞を引き続き、厳しく見守って頂きますように、心からお願いします」と結んでいます。一読者として、いや、新聞命の私としては、社長の「心から」の願いを信じ注意深く見守りたいと思います。Goto

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