KAITEKI

江戸しぐさの心が、愛用のドライバーのシャフトになっているとは?
賑わう江戸の街。火事と喧嘩は江戸の華なんて申します。混雑する路で足を踏んだ踏まないので悶着が起こり、口論になるのも度々。そんな時「すみません。こちらがうかつでした」と足を踏まれた方が、謝る。「いやいや、こちらが・・・失礼しました」と踏んだ方も・・・
てなことになれば、喧嘩にもなりませんし、気まずさもなくなる。こんな心配り、気遣い、思いやりを、江戸の人たちが嗜んだかどうかは、わかりませんが。この踏まれた人に対する心配りを「うかつ謝り」と言って「江戸しぐさ」の代表的な行為といわれています。他にも・・・
有名なのは雨降りの日、狭い路地で、傘が触れ合い、雫が相手に落ちないようにと傘を傾ける「傘かしげ」とか、往来の真ん中を歩かないで、路の七割は開けて歩く「七三の道」とか・・・「粋でいなせな江戸っ子」は喧嘩が大好きかもしれませんが、意外と緻密で繊細な世渡り術を見につけて暮していたようです。
「江戸しぐさ」で、私が今でもなるほどと、思うのがあります。それは「時泥棒(ときどろぼう)」です。断りなく相手を訪問邪魔をする。約束の時間を違え、相手の時間を奪ってしまうことで、これは、「しぐさ」なんて生易しいモノではなく「十両の罪」として忌み嫌われる行為です。
「江戸しぐさ」の心を企業の柱に据え、商品開発している大手科学メーカーがあります。「江戸の世が持つ和の心。糸をほどけば、形やサイズにあわせて何度もしたて直せる江戸の着物。使い古したら燃やして、畑の肥料にするという処理まで、考える」「打ち水に代表される夏を凌ぐ知恵」などなどを商品化している。
「人のために自然が犠牲になるのではなく、環境のために人間がやせ我慢するのでもない。江戸が大切にしてきた和の精神を商品開発のコンセプト・KAITEK(写真参照)Iにしている」と。私の愛用するゴルフクラブのドライバーのシャフトも「江戸しぐさ」の心からできているとは知りませんでした。思うようには飛びませんが・・・・Goto
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11/17日本経済新聞

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