岐阜愛

長良川の水はとても綺麗で良質の藻が育ちます。
日経新聞の岐阜支局長が、夕刊の看板特集「食ナビ」に岐阜・長良川のアユについて・・王国復活へ遡上と題して、寄稿している。文学的な書き出しで筆運びも滑らか。赴任されて1年半ほど、この地に思いを馳せる暖かさが滲む。
岐阜県のアユ。漁獲量の最盛期は1992年、1719トン。それが13年には218トンと八分の1に激減。岐阜県では「清流の国、岐阜」をキャッチフレーズに川をテーマにした様々な取り組みを始めた。その一つ、「長良川のアユを次世代に継承する世界農業遺産」への登録も目指している。
その一環として、「アユ王国復活プロジェクト」を掲げ、水産試験場で良質な稚魚を育て、年間120トンを放流。上流にあたる郡上市では植林を始め、保水力のある広葉樹を1万本以上植樹した。「川の汚れは川上から」と申します。川を守る真摯な取り組みが必死で行われています。
岐阜のアユ。魯山人は「瀬が激しくないと見えて身がしまらず、ブヨブヨしていて一流品とは言いい難い」と酷評しているが、この地方では、天然アユと養殖アユは簡単に見分けが付く。頭の後ろがこんもりと盛り上がって脂が乗っているアユは養殖。ブヨブヨしてなくて、すらっとしているのが天然です。
アユの食べ方も色々ありますが。何と言っても塩焼きです。串刺ししたアユを囲炉裏に立て掛けて、じっくり焼くのがよろしい。それも、新鮮のまま、最低でも40分は掛けるべきであろう。それが一番美味い。アユを美味しく味わうのは、この方法が一番。
アユは一年魚ですが、長良川の支流、郡上市内を流れる吉田川には、五年物で30センチを越す大型のアユも生息、まるで長良川の主のようである。なぜ、五年も生き延びるのか。その生態はわからないのだが・・・たぶん、産卵しに河口に下る習性を放棄した理由は、郡郷土愛に溺れたのではないか。
その位、長良川は清流、綺麗な水に良質な藻が生えているからだと、古里を愛する私は思っています。日経岐阜支局長の岐阜愛に感謝して。Goto

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