村上春樹さんの新刊「職業としての小説家」で秋の夜長を楽しみます。
やっと秋雨前線も遠ざかり秋らしくなってきました。夜明けも随分遅くなり、5時台ではまだ暗いです。ウォーキング時間を遅らせねばと考えています。ということは、秋の夜長、虫の音を聞きながら読書に親しむ時間が増えることになります。本好きには嬉しい季節ですね。
「よい本を読め、よい本によって己を作れ、心に美しい火を燃やし、人生は尊かったと叫べばよい」(坂村真民・致知の広告より)・・・そうなんです。PCもスマホも手っ取り早い情報収集の端末です。しかし、本ほど人生を彩る情報はありません。
本を読めば、ボケ掛けた頭に栄養が回り多少は活性化します。錆びかけた心が浄化され、美しいとまでは行かないが、潤いあるひとときを過ごせます。私、以前は本屋さんでぶらぶらしながら本選びを楽しみましたが、最近は日曜日の新聞に掲載される書籍案内と書籍広告から探します。
出版業界は、再販売価格維持制度のもと、出版社が値決めをし、取次店が本を大量に仕入れ、書店に配布、売れ残れば返品する、そんな流通の仕組みです。最近は返品率が50%近い、それでは本屋は成り立ちません。出版社も費用を掛け本を出しても、返品。お金が入るのは半年先、これでは小さな出版社は維持できません。
おまけに最近は「ネット書店」の台頭が著しく、売上比もネット書店が80%近くなりました。この現状をなんとかしようと、本屋さんの最大手、紀伊国屋書店が「村上春樹さんの新刊10万の内9万部」を買切り返品なしの勝負に出ました。取次店飛ばしです。
業界のリーダーとして、思い切った策を取り、金属疲労を何とかする。今回の試みが出版流通のあり方を変えていければ。取次店もネット書店に押されているだから、いろんな策を講じるはず、それが業界全体の活性化になれば」と紀伊国屋のトップは語る。(毎日新聞9/9・朝刊)
斜陽産業と言われて久しい出版業界。紀伊国屋が放った本屋さんからの反撃・・・再販制度は維持できるのか。ネット書店への流れを食い止めることができるのか。それとも、全国の本屋さんの元気に繋がるのか。紀伊国屋さんの覚悟に敬意を払いながら・・・
私は取り敢えず、村上春樹さんの新刊「職業としての小説家」を本屋さんで購入して、秋の夜長を楽しみながら、「窮して変じて通ず」になればと願いつつ、成り行きを見守りたいと思います。Goto
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