空家対策元年

地方活性化の起爆剤になるのではないでしょうか。
私が愛する故郷岐阜の街。この街で産まれ、この街に育てられ、この街で生かされています。その街が音を立てて壊れつつあります。ひと昔前までは、街の中心地、商店街が店を閉めシャッター通りとなり、何とかしなければ・・・などと思っていましたが・・・
今ではメイン通りに建つビルに人の気配がなくなり、あったはずの建物が壊され空き地に。一歩裏通りに入れば、人影が見えず空家が目立ちます。人間の記憶ほど不確かなモノはありませんので、街の風景が昨日と変わっても違和感はないのですが・・・・
さすがに、この歳になりますと、新しいことはなかなか頭に入らないのですが、昔の景色は頭に残っているのでしょう。原風景が壊れますと、淋しさを覚えます。建物は人工物ですから、壊されるのは仕方がない、壊れたら、建て替えられてきたのですがそれがない。
だから、街が音を立てて壊れて行くのです。空家の話です。総務省の統計調査では13年の空家の割合は13,5%、さらに増え続けると指摘しています。なぜ増えたのか。住宅市場が新築中心である。景気刺激策として新築住宅購入が優遇された。
古い住宅を壊すと固定資産税の優遇を受けられず税額が増える。新築される戸数ほど古い住宅の取り壊しが進まなかったからだといわれます。(読売・9/21・朝刊)この率は総務省の統計ですから全国レベルですが、地方ほど空家の増加率が高いと言われています。
2月に空家対策特別措置法が施行され、倒壊や衛生上有害となる住宅を「特定空家」として持ち主に修繕や撤去指導、勧告、命令ができるようになりました。従わない場合、固定資産税が増額されます。その意味では、空家は社会問題、今年は空家対策元年だといわれます。
危機感を持った自治体では「空家バンク」を創設。空家情報をまとめネットで公開、家主と利用希望者のマッチングに寄与する仕組みで374市町村が導入しています。売買や賃貸借が発生しますので官民一体での対策が必要となります。
超高齢化社会です。街づくりが今ほど重要な時はありません。私はコンパクトシティーがひとつの鍵だと思っています。その中心に、空家を据えてはどうかと考えます。高齢者の交流の場とか、シェアハウスに、あるいは保育所、個人オフィス、更には地域ミュージアムとかの活用です。
そうすれば、地域の活性化、賑わいにも通じます。もちろん、建て替え、リフォームでの経済効果が期待できます。空家対策元年、空家こそ地域活性化の起爆剤なるのではと、壊れゆく故郷の街を眺めながらプラス思考しています。Goto

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