銭湯の壁に三保の松原と富士山が・・・・
物心ついた頃の話です。我が家は戦後すぐに建った県営のアパートでした。
戦後初めて建った鉄筋コンクリートの集合住宅です。
4階建で、三層、24世帯が暮らし、同級生が10人ほど・・(団塊世代ですから)
落語の長屋のような賑やかな暮らしでした。
しかし、この集合アパートには風呂がないのが欠点。
近所の銭湯「伊奈波湯」に「声掛けあって」通うのが日課でした。
その「伊奈波湯」・・湯船の上の壁画は・・モザイクタイルで・・
三保の松原から見た富士山が描かれ・・・湾には帆掛船が二艘・・
目を閉じますと、ムトウハップの黄色い薬湯、こじんまりとした電気風呂・・
蛇口から溢れる水音、風呂桶の何かに当たる「カーン」という響きを交え・・
浮かびます。(風呂好きの私、原風景が伊奈波湯ですね)
モザイクタイルと言えば・・・岐阜県多治見市笠原町・・生産量は日本一。
この6月には「モザイクタイルミュージアム」も開館しました。
その笠原町に「モザイクプリンセス」なる30代から60代の・・
モザイク産業に関わる女性の集団が発足。
この集団・・・「タイルの街なのに、それらしい景観がないのはおかしい」
「タイルの美しさを求め訪れ人たちにアピールしたい」との思いを込め・・
町内にある129基のゴミ集積所を順次・・多彩なモザイク画で飾る試みを。
現在14基が完成・・・1基毎に異なるデザインにはメンバーが知恵を絞る。
地元の業者がタイルを提供、左官職人や多くの町民が指導・・バックアップ、
「ゴミ置場の雰囲気が明るくなり綺麗に使おう」と町民にも大好評。(朝日・夕刊)
最近は銭湯も激減、湯船に富士山、それもモザイクで、なんて、懐かしい銭湯には・・
滅多にお目に掛ませんが・・・
街角に、手作りのモザイク画が、溢れるなんて、それがゴミ集積所であっても、
心が和みませんか。本物のモザイク画が少なくなりました。哀愁を覚えます。
我が社では多治見市の元気のために「おりべ倶楽部」(65,000部発行・
全戸配布)を発行しています。街が元気になるのは・・・
地域の人たちによる心のこもった・・取り組みがスタートですね。
ぜひ、笠原町へ、お運びを・・・Goto
8/23 朝日新聞
モザイクタイル

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