隣の芝生は青い

猿でも僻んだり、嫉妬したりするんですね。
私も老害と言われて不思議でない年齢です。
ですから、こんな話題に触れると、上を向いて唾を吐くような話なので、
より気を引き締めねばと思うのですが………
猿って、人間と同じように、自分よりもライバルの報酬が多いと、
僻(ひが)んで、いじけるんだそうです。
一緒にいる2匹のニホンザルに図柄を見せて、ジュース飲ませる。
ジュースが得られる確率を図柄ごとに変える。
自分の方がジュースをもらえる確率が高い図だと「自分の方がジュースが飲める」と
嬉しくなって口元がほころび、確率が高くなるほど動きはより活発になり、
逆に相手の方の確率が高まると俯(うつむ)き加減で口元の動きがない状態になると。
相手がニホンザル以外の物体だった場合、相手の確率が上がっても反応がないそうだ。
なぜそんなことになるのかは、大脳の内側前頭前野から中脳のドーパミン細部に……
脳研究の分野だから……そんな難しい話は別として、
猿も人間と同じように「隣の芝は青い」という感情を持つのは間違いないようです。
研究の目的は、他者と比べて自分の価値を低く評価するうつ病やドーパミン細胞が
変性・脱落して発症するパーキンソン病の解明に役立つのではと始められたようです。
この結果が難病の予防、治療に役立てばと願うのですが、
私のささやかな経験では、猿の場合は餌と種の保存以外にこんな状態には
ならないのでしょうが、人間の場合はそうは参りません。
とても複雑で、利害打算の他にも感情という問題も絡みます。
子どものうちは猿よりもわかり易く、感情を露わにしますが、
大人になるに付け、表面は平静を装い感情を押し殺し、陰湿に他人と接するようになります。
それが、もっと大人、高齢者になってきますと、他人と自分を比較するなどという、
悠長なことはなくなり、直情的に、欲しいものに手を出すようになります。
それが叶わぬとなると、露骨な嫌がらせ、差別をするようになります。
それを年寄りの僻(ひが)み、或いは嫉妬といいます。
それを「老害」といいます。私もそう言われる年齢ですが、
若い頃、老害に苦しめられた経験があります。
そのおかげで「隣の芝生と自分の芝生に違いなどない」ってことを身に染みて知っています。
好々爺とは申しませんが、嫉妬の塊のような「老害」にはならぬようにと思っています。Goto

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