否定するに値する文化か?

台風24号が日本列島を縦断しました。
被害を受けたみなさんには心よりお見舞い申し上げます。
この地方も夜半から、激しい暴風雨に見舞われましたが、
中心が南側を通過したようで、被害は最小で済んだようです。
エスカレーターに乗るときは、手すりにつかまって下さい。
私は田舎暮らし、出勤も近場の移動も大概が車です。
ですから、駅を利用するのは、東京など遠方の出張のときぐらいです。
その駅でも日々のウォーキング効果から滅多にエスカレーターには乗らず
階段を利用するのですが。
先日、名古屋駅の構内で「走ったりせず、手すりにつかまり立ち止まってご利用下さい」と
エスカレーターの空いている片側を早足で駆け上がる人に注意を促していた。
えっ。エスカレーターって、左側に立ち右側を空けて乗るのが、マナーじゃないのか?
と不思議に思ったのですが、最近、名古屋ではこの習慣を止めようとの動きが。
そもそもなんだが、この文化、発祥はどこなんだろう。
1990年代に名古屋から自然発生的に始まったことになっているそうなんだが、
どうもそうではないらしい。第二次大戦後、ロンドンの地下鉄がそうだったのを、
名古屋で誰かが言い出し、名古屋文化になったそうな。
それが、この数年、接触による事故や走って足を滑らせるなどの転倒事故が増え
同時に、高齢者から「右側を歩かれると怖い」そんな声が届き……
エスカレーターでは歩いたり走ったりしないようとの啓発運動がスタートした。
それが「手すりにつかまろう」運動だが、高齢社会ゆえの文化否定なんでしょう。
私の率直な感想だが。動く歩道でもそうですが、寸暇を惜しんで働く人たちにとって、
より早く目的地に行きたいのは当然のこと。
安全第一で、どんな些細な事故でもトラブルでも、全てが運行会社の責任にされる時代、
エスカレーターであれ階段であれ万が一の時の弁明が効くようにせねばならない。
そのせめぎ合いが、エスカレーター片側文化否定に繋がっているのではないか。
狭い日本、そんなに慌ててどうするそんな声も聞こえないではないが。
如何にも世知辛い世の中なったと思うと同時に、英国では今も淡々と
片側空けは実施されているのだが、日本の超高齢社会は、
エスカレーター片側を空ける文化まで否定される時代になったのだなぁと思うと、
まだまだ、自己責任の概念もなければ、頑張る人はマイペースな人を認め、
マイペースな人は頑張る人にエールを贈るような成熟した国には遠いかなぁと……
思わざるを得ない。Goto

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