憲法が始めて国会で審議される。
臨時国会が召集された。安倍首相が自民党総裁選で3選を果たしての最初の国会である。
所信表明がどんな力強い内容になるのか期待しつつ、翌日の紙面で演説の全文を読んだ。
同時に、全国紙4紙の評論を読み比べてみた。
端的に申せば、政権の看板であった経済再生に向けての「規制緩和」や
「成長戦略」に触れなかったことは経済政策を放棄したのではないか。
「デフレ脱却」が方針に含まれないのは、アベノミクスの限界が露呈したのでは、
経済軽視では………そんな印象を持った。
外国人労働者受け入れを拡大する入国管理法改正に意欲を示した。
深刻な人手不足の解消に大きく踏み出し、入管政策を抜本的に転換する方針を表明した。
「背に腹は変えられない」のだが、どう見ても「移民の受け入れ」である。
「移民」問題は国の根幹に関わる。与野党で本音の議論をして欲しい。
メディアも報じるだけでなく(逃げることなく)自らの主張を踏まえ、
旗色を鮮明にして、国民的議論を巻き起こして欲しい。
曖昧なまま、単純に労働者を増やすと将来に禍根を残すことを恐れる。
地方創生、どうも熱くない。島根県雲南市の農業にチャレンジする若者を
引き合いに、「ピンチはチャンス」と言葉は羅列されたが、
前回「地方の再生は日本の再生」と叫んだ迫力はない。おざなりの感は否めない。
悲願の憲法改正案を衆参の憲法審査会に提示する方針を示した。
これが、所信表明の本質だろう。
朝日は、改憲案を推進する人事を配したのは、異論を遠ざけるやり方、民主主義ではないと。
相変わらずピントが合っていない。本気で改憲をやろうと思えば、周辺を固めるのは必然。
毎日は、「平成の先の時代に目を逸らすな」と国会での審議入りを与野党に呼びかけるが
森友、加計問題で国会での熟議する土台を壊した首相が何をいうかと否定。
政治手法に問題ありと、話をすり替えている。
読売は、憲法審査会は国の最高法規について不断に検討を重ねるのが本来の役割、
自民党は公明党や野党の意見に耳を傾け、一致点を見出す努力を怠るなと、
議論を開始すべきと促した。
派手さや力強さはないが、国の根幹を議論する臨時国会だ。
政治家には駆け引きや審議拒否などせず、言論の府たる国会で、
正面から堂々と議論して欲しい。Goto
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