駅伝

根性とは物事を最後までやり通す力です。養いたいものです。
リオ五輪、陸上競技、花形種目、男子400メートルリレー。
若き侍ジャパン4人が心を一つにバトンをつなぎ、銀メダルに輝いた。
表彰式で4人揃って刀を抜く感動的なポーズが脳裏に焼き付いています。
日本人は全体的に小柄で、体重別の競技ならば軽量級で力が発揮できるが、
重力級となると、なかなか好成績を残すことができない。
陸上もメダルに届かないのは体力と身体能力が問われるからではないでしょうか。
陸上に限らず団体競技になりますとメダルの期待が掛かります。
日本人は、自分のことはさて置き、相手のために、チームのために頑張って
それぞれの役割を果たす。スポーツだけではない。仕事に置いても
組織力で業績をあげるケースが圧倒的です。それが国民性なのでしょう。
昨今は個人主義が蔓延していて、私は私、あなたはあなたとはっきり言う
「ビックマウス」の選手がメディアの脚光を浴びることも往々にしてあります。
それとても、よくよく話を聞いて見ると、団体競技の場合が特にそうですが、
その根底にはやはり自己犠牲の精神が流れています。
それが日本人固有の文化であり、2000有余年培われた日本なのでしょうね。
21日、福岡で開催された実業団女子駅伝予選会で転倒した選手が、
足を怪我、走れなくなり中継所までの数百メートル、「四つん這い」になって
進む姿がテレビ画面に写しだされました。
擦りむいた両膝は赤く血が滲み、その必死な姿に思わず、胸が熱くなりました。
なんとか中継所に辿りつき「タスキ」をつなぎました。
監督控え室で中継を見ていた監督は「やめさせてくれ」と棄権の意思を表明、
審判が選手に伝えたところ、選手は続行の意思を示したため、そのまま続行した。
ネット上では「なぜ棄権させないのか」「美化するな」「止めるべきだった」などと
批判の声、逆に「感動した」「よく頑張った」と賞賛の声と賛否が渦巻いています。
あの状況、あの場面で、「あなたなら」どんな意見ですか。感想を持たれますか。
私はこんな風に思います。駅伝は日本発祥の陸上競技です。リレー以外にはない
陸上の団体競技です。チームの名誉と組織のプライドを掛けて戦います。
棄権を迫った審判に彼女は「あと何メートルですか」と聞いたそうです。
審判は中継所までの距離を睨んで、完走させたのは正解です。
彼も選手として駅伝を走り、駅伝を知っているひとりだったと思います。
後、数十メートルで棄権したら、彼女は一生涯、走れなくなるでしょう。
彼女は「タスキ」をつなぐために練習を積んできたのです。
監督が制止しても彼女はそれを振りきって「はった」でしょう。
それが日本発祥の駅伝と言うスポーツだからです。
その証拠に。中継所で待つ選手は涙が溢れていたと言うではありませんか。
そして、彼女の「根性」を知ったその後の選手達は力走して
予選こそ通過できなかったが21位まで順位を上げました。
このチーム来年は必ず予選を突破して本戦に臨むでしょう。
「根性」というと、封建制の遺物のようにいう人もいますが、
「根性」とは、物事をやり通す逞しい精神です。
「根性」があれば何事も成就すると信じます。それがチーム、組織であれば尚更です。Goto

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