トヨタグループがお歳暮を自粛した結果……どうなるのか。
年末年始は一年でもっとも経済が活況を呈する季節ですね。
取り分け、12月はお歳暮、クリスマスプレゼント、そして新年の準備など
流通業、小売店、飲食店などが賑わいます。
米国でも11月から12月のクリスマスまでの間は、クリスマス商戦といって、
流通業の年間売上の半分近くがこの時期に集中するといわれています。
個人消費が景気の動向を左右します。年に一度大いに財布の紐を緩めて欲しいものです。
何事もそうですが、出せば入ってくるものです。
歳暮は1年の終り、12月の季語で、年の暮れには、お世話になった人に感謝を込め、
歳暮周りをするのが日本古来の年末行事です。その際に贈答品を贈るのが
お歳暮です。最近は、訪問するよりも宅配で済ます傾向ですが、
我々の業界では、お客様のところへは「暮れのご挨拶」と称して、歳暮周りをします。
取り分け、律儀なのは放送局の営業ですかねぇ。
今年のお歳暮、トレンドは「平成最後のお歳暮」ってことで、
東海地方の百貨店やスーパーでは「平成を彩ったグルメ」なんて企画が
当たっているようです。平成の始めに……「ティラミス」なんてケーキが流行りました。
「マカロン」も有名なパティシエが人気に火をつけました。(平成17年頃)
富士山が世界遺産に登録され「富士山のケーキ」なんてのも売れました。(平成25年)
自分へのご褒美になんて「あまおうのアイス」が持て囃されたのは去年。
平成の思い出を語る。そんな需要を「お歳暮」が掘り起こしています。
トヨタショックって、ご存知かどうか知りませんが。
ひと昔前は、お歳暮は企業が取引先に新巻シャケを毎年贈るなどといった、
法人需要が多かったのですが。この地方では、トヨタ自動車グループが、この夏、
下請けから発注会社などへのお中元・お歳暮の自粛を求める方針を打ち出したせいで、
企業のお歳暮離れが急速に進んでいます。
そんなお歳暮事情もあって、友人間でホームパティーを開いて、贈り物交換をするとか、
「一年間頑張った自分へのご褒美」にとか。個人需要は膨らんでいるようです。
そこに、目をつけたのが「平成最後のお歳暮」企画ってことです。
私は思うのです。お歳暮の慣習は「お世話になった人への感謝」日本独特の文化です。
クリスマスプレゼントとは違います。
今年大問題になりましたが、日本社会は忖度社会です。
お歳暮の背景に忖度があるからトヨタが、お歳暮という慣習に釘を刺したとしたら……
その影響力からして、企業間のお歳暮自粛にとどまらず、「全ての分野でのお歳暮否定」に
つながるのではないか。そうなれば、経済に影響するだけでなく、
日本文化の否定にはならないか?なんでもかんでも慣例や因習を否定するのは如何なものか。
そんな気もします。
それでも流通業界は知恵を出します。そんな大袈裟なことではないかも知れないが、
なんとなく寂しいと思うのは私だけでしょうか。Goto
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