東海TVの挑戦

人は悲しみの中では生きていけるけど、苦しみの中では生きていけない。
テレビを見る若者が減ったと危機感を抱く放送局。
取り分けNHKは、ネット配信で視聴者をつなぎ止めようと、
「スズメの涙」ほどの値下げを発表……総務省から配信のお墨付きを取りました。
如何にも如何にもの配信ありきです。民放がよく黙ってますね。
土曜日の深夜(後11時40分)に放送されるんですが、
フジ系列「東海テレビ」が制作する「さくらの親子丼2」……
ご覧になったことありますか。パート1があまりにも好評で、続編となり、
パート2も前作を上回る視聴率、大健闘です。
主演の真矢ミキさん、元々は宝塚の出身。最近は 報道番組の
キャスターにもチャレンジ、良い味を出しています。
前作品は「子供食堂」で問題を抱えた子供たちに「親子丼」を食べさせ、
更生させる話。パート2は親の虐待から守る「子供シェルター」の話。
いずれも、社会の歪みに立ち向かった意欲作品、ぜひ、ご覧になることをお勧めします。
私はこの「さくらの親子丼」を地元の放送局である「東海テレビ」が制作していることに、
感動しています。昨今のローカル局は、キー局に頼り、自社制作番組を減らしています。
そんな経営判断をする経営者多いのに、東海テレビは「そもそもテレビとは」を
愚直に問い続けている局です。なかでも9月に開局60年記念と銘打って放送された
「さよならテレビ」は秀逸でした。自社の「報道部」にカメラを入れたドキュメントです。
果たしてテレビは「何のために存在するのか」本質に鋭く迫る……「禁断の番組」です。
2015年「ヤクザと憲法」などドキュメントでタブーなしと、社会の闇に切り込む
土方宏史ディレクター。そして、その活動を容認する経営陣、内部の葛藤が、
見えるようですが、テレビ局の現状をからめ逸らさず、番組を作る姿勢に敬意を表したい。
そもそもテレビ局は、許認可事業です。それに東京のキー局を中心に系列化されています。
何もしなくても収入があります。人員を減らし、経費を削減すれば、経営は成り立ちます。
しかし、それで良いのか。テレビ局とは「いったいなんだ」そう問い返し、
もがき、苦しみ悩む。そして、タブーにチャレンジする。その矜持がなくなれば、
テレビの価値はない。
「さくらの親子丼」決めゼリフは「人は悲しみの中では生きていけるが、
苦しみの中では生きていけないの」さくらさんはだから私が守ってあげねばと。
……親に見捨てられた子供たちだけではない。企業もそうです。
苦しみでは生きられないのです。解決のために、脱皮するために、
自らをオープンにして、問題に正面から立ち向かう姿勢が必要です。Goto

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