祝・朝日新聞創刊140年

古い殻を脱ぎ捨て、この国の羅針盤たれ。
我が最愛の新聞「朝日新聞」………2019年1月25日、49258号
多くを語るまい。ただただ、創刊140周年おめでとうございます。
衷心よりお祝い申し上げます。
25付、朝刊に特集ページが組まれ………谷川俊太郎(1931年生)さんの詩
「新聞はコトバだ」が掲載されました。
「新聞命」の私、新聞の本質を鋭く切り裂く谷川節に思わず目頭が。全文を紹介させて戴く。
新聞はコトバだ
まるごとコトバでできている。
コトバは万人のもの
そしてあなた一人のもの
新聞はコトバだ
コトバは情報となり意見となり偏見となり
まれに思想となり
詩となることもないではない
新聞はコトバだ
活字がフォントが
写真が画(え)がコミックスが
無数の数字が意味を込めて
今日から明日へとせめぎ合う
新聞はコトバだ
ペラペラの新聞紙ではない
可燃でも不燃でもない
変幻自在のコトバだから
気づかずに人を欺(あざむ)く
新聞はコトバだ
現実事実のほんとうとウソが
コトバでまじって
よれてねじれて絡み合い
玉虫色の迷子になる
新聞はコトバだ
だが誰のコトバか?
もとは一人のコトバなのに
いつの間にかみんなのコトバ
無名のコトバ
新聞はコトバだ
敵のコトバも
味方のコトバも
市場で仲良く販売されて
只のコトバがタダでなくなる
新聞はコトバだ
愛を囁(ささや)けないコトバ
瓦版の昔から
泣かず笑わず声も立てずに
真実に渇くコトバ
新聞はコトバだ
世界をコトバで掴もうとする
時には疑いながら
時にはコトバに命をかけて
新聞は今日も沈黙じゃない
この詩について谷川さんの談。
新聞は沈黙せずに、発行を続けることが大事。
戦時中は朝日新聞を含む新聞が軍部の発表を相対化したり検証したりできなかったけれど、
抵抗すれば、潰されていたでしょう。
そこにコトバの限界がある。でも沈黙するよりは書く方が良い。
88歳、谷川さんの詩「新聞はコトバ」を書写しながら、
一言一句を噛み締めながら。私は、ほんとうに「新聞命」(しんぶんいのち)かと、
自問自答しています。このブログのテーマ「新聞を読もう」についても考えさせられます。
とは申せ。まずは、朝日新聞よ。古い殻を脱ぎ捨て、この国の羅針盤たれと申し上げ、
お祝いとする。Goto

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