様は敬称です。

名前は親が子供に書いた最初の手紙です。キラキラネームの深層……
大した問題でもないのですが、3/13、日経の春秋、読売の編集手帳……
両新聞の一面名物コラムに取り上げられたので、私も一言申し上げたい。
春秋は、森鴎外は子供達にユニークな名前を付けたことで有名。
長男の名前は於菟(おと)、寅年生まれ。於菟とは中国の古典、左伝から虎のこと。
一説ではドイツ留学で得た友人達の名前を無理矢理あてハメたとも
オットーさんがいて、於菟だったとか。それでも名付けた意味はある。
長女が茉利(まり)おしゃれですね。ジャスミンの花のことです。恋心を抱いた
英国女性がジャスミンだったとか。次女は杏奴(あんぬ)で、アンズを口にしたからだとか。
次男は不律(ふりつ)何事にも律せよってところでしょうか。
フリッツという独語風の響をあてはめたとか。最もらしいですが。やはり、律して生きろが。
末っ子は類(るい)と。類には一門、一族の意味もあり、森家を守れ、そんな意味かな。
鴎外が名付けたであろう5人の名前、調べてみると左様にそれぞれ意味があり、
春秋で取りあげるほどユニークでもない気がする。
編集手帳は、平成に入り親が付ける名前に変化がでてきた。
それが俗にいう「キラキラネーム」である。何を指してキラキラなのか、
太郎や花子じゃないからなのか、定かではないが、
それなりに社会に縛りがなくなり、身勝手な生き方が許されるからなのか。
こんな有名な広告がある「名前は親が子供に書いた最初の手紙」
噛み締めると、親子の絆を如実に示す、良いコピーです。もちろん、スポンサーはPILOTです。
何の話かお分かりでしょう。「親からもらった名前を改名したいと高校3年生が
甲府の家裁に申し立て、変更が認められた話です。
私も本当に……と疑ったのですが、「赤池王子様」がフルネーム。
王子様とはなんだ。王子までなら王様の子供であるのではとの意味もあるが。
様までが名前だとは、なんともまぁー乱暴な名付け。
母親が付けたそうですが。「名はタイを表す」と申します。
子供の将来をどんな風に描いての「手紙」だったのでしょうか。
「唯一無二」の存在になって欲しい。と母親は願ったと両コラムには。
本人は、出会う人にことごとく、驚かれ嘲笑される。生き難いと話す。
過去を断ち切って新しい人生を始めたい。そんな思いを意味する「肇」と改名した。
名付けた母親に聞きたい。そもそもだが「様」の意味は「ありよう」「ありさま」だが、
名前に付ける場合は、その人への敬意を表現する敬称である。
彼と出会った人たちが、彼に敬意を払う時、彼を王子様様ということになる。
それって、どう考えてもおかしいでしょう。
キラキラネームで、親が楽しむのは、自分の子供だから、勝手でしょうが、
ひょっとしたらですが、キラキラネームを許す社会が、実は児童虐待の深層ではないか、
そんな思いがする、王子様改名のニュースです。Goto
追伸
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