校閲センターの凄さが新聞を彩っているのですね
新聞って、凄いと思うんです。朝日新聞がオピニオンのコーナーで
毎週掲載する「ことばの広場」……校閲センターから……を読んで改めて
新聞の素晴らしさを感じています。
新聞の表現、即ち「記事」ですが、記者が書いたモノを「生」で掲載することは
ありません。記事はデスクが内容を細かく吟味します。不穏当な言葉はないか。
筋立ては間違いないか。誰もが読んで理解できるかなどなどが修正されます。
その後、整理部に回され、再度チェックされます。それから字数が制限され、
更に校閲部(朝日は校閲センター)に回されて言葉の使い方や意味に問題がないかが
チェックされ印刷に回ります。
そんなことは知っていると思う方もいるでしょうが、何重もの人の目に晒されて後、
記事として掲載されます。日刊ですから、その作業は間断なく毎日続けられます。
ネット系の新聞と既存の新聞との根本的な違いがここにあります。
ですから、既存紙の新聞記事にフェイクニュースが流れる余地はありません。
「内助の功」という言葉があります。
ご存知ですよねぇ。戦国時代の武将、山内一豊の女房千代が夫を献身的に支える話です。
昨年末ですが。青森県五所川原市が長年実施してきた褒賞受賞者の妻に贈ってきた
「内助功労章」を廃止したと報じられた。
理由は「今は女性が男性を支える時代ではない。夫婦のあり方も変わり「章」の
名称運用も、行政が出すメッセージとしては誤解を招く恐れがある」と市長は語る。
朝日校閲センターの見解は「2000年以降、内助の功が朝日新聞の紙面には200件超登場、
まだまだ、現役のことばとして使われている」とそこまでしなくてもと、疑問を呈す。
「内助」とは「特に妻が家庭にいて夫の働きを助けること」ですが、
紙面ではスポーツ選手とマネージャー。首相を支える官房長官など
主役が夫で、サポート役が妻と見立てて使われています。
最近、記事原稿を校閲する中で、あからさまにな性差別や女性蔑視の表現を
見ることはまずないが、仕事と家庭の両立支援の記事で、
女性だけを想定したものが以前よりも大幅に増えている。
同時にノーベル賞報道では「妻の支え」が美談として強調されることへの
疑問も呈されるようになった。前向きな話題なのでつい見過ごされがちだが、
これも性的役割分業の意識を助長しかねないので、厳しくチェックする。
同時に「社内向けジェンダーガイドブック」では女性差別的な構図で
書かれがちな記事には、夫唱婦随を讃える印象にならないよう注意を喚起していると。
「夫婦とはこういうもの」との意識を押し付けてはならないと、記者に戒めているそうな。
新聞って、凄いと思いませんか。良妻賢母もダメ。夫唱婦随なんて持ってのほか。
そんなチェックを通って発行されているんですから。Goto
コメント