四方を海に囲まれているが故に、海に甘えているのではないか。
岐阜県に生まれ、生かされている私です。岐阜は木の国、山の国。
海なし県です。海の知識がまったくありません。
そのせいか、海の雄大さには気後れ、海の幸には憧れがあります。
昨年12月に漁業法が70年ぶりに改正されたことも知らず、内容にも無頓着。
関係者たちが「水産資源の持続的利用」に心血を注いでいることも、
水産資源の管理はこの改正まで、国と都道府県が責任を持っていなかったことも
始めて知りました。ということは、漁協だとか、それにまつわる政治の力とか、
四方が海に囲まれている海洋国、海は海に面した地域が管理していたのですね。
なぜ、この時期に改正されたのか。興味深いものがあります。
日本の漁業者によるものではないようですが(中国、北朝鮮など)、乱獲によって、
水産資源が危機的状況にある。だから、漁獲量の制限をして、持続可能な状況をと
改正されたようです。
しかし、識者から見ると、この改正「理念は正しいが、現実にその方向に行くのか、
それは疑問だと」なぜなら、予算の付き方が、理念と合致せず、旧態依然とした
「漁港の整備などの利権絡み、公共事業が大幅に増額され、肝心な漁獲枠設定や
資源調査のためのソフト面の予算は低水準のまま」………これではと批判の声が。
現実は漁獲量の正確なデータってないそうです。
水産庁所管の研究所なるものが、水産資源管理を担当しているそうだが、
そもそも、漁獲報告の基準が曖昧、「魚1トン」の重さが港によってまちまち、
水や氷などが入ることを想定してやや多めに設定され1100キロもあれば、
1200キロもあるとか。「海の男たちのアバウトさ」で処理されているらしい。
今やIT時代です。農水省と水産庁がやる気になれば、
正確な数字を把握するのは難しいことではない。
そうならないのは、実のところ、四方海に囲まれる島国日本だから
「海」甘えているのではないか。
漁業関係者だけではなく、我々消費者も。
これまでの日本の魚育教育は、魚をたくさん食べることがゴールで、
多く、安く食べれれば良い。持続性など考えてこなかったのが現実です。
「法改正の理念に忠実であれ」などと子どもじみたことは言わないが、
スーパーの鮮魚コーナーは大半が赤字というではないですか。
少なくとも、漁師が激減する根本を考えれば、魚の価格は適正なのか。
漁港の公共事業も必要でしょうが、漁業の持続可能には、
海の大きな愛情に甘えるのではなく、消費者も未来につながる魚食教育に
真摯に向き合わねばと思うのですが。Goto
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